【大宮】チームを救った瀬川祐輔の同点弾。負傷離脱を繰り返した男の反撃がついに始まる

2017年08月06日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

「ボールの軌道に合わせて飛び込み方を変えようと」

“さいたまダービー”で起死回生の同点ゴールを決めた瀬川。残留圏浮上へ、結果を出し続けられるか。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ20節]浦和 2-2 大宮/8月5日(日)/埼玉

 まさに執念のゴール。瀬川祐輔が88分に決めた同点弾は、そんな言葉がピッタリのもの。本人も「無我夢中で決めた。結果を出せてホッとしている」と告白した。
 
「(岩上)祐三さんにボールが入った時、遠藤(航)選手のうしろにポジションを取れていた。ボールの軌道に合わせて飛び込み方を変えようと考えてしましたけど、正直シュートコースとかどうでもよくて、気持ちだけでネットを揺らした感じです。
 
 あんまりイメージはなかったですね。とにかく、クロスにスピードを乗せられるように『ちゃんと当てよう』という意識はありましたけど……。ミートしたあとのボールも実は全然見てなくて、気が付いたら入っていました」
 
 伊藤彰監督は77分に大山啓輔に代えて瀬川をピッチに送り出したわけだが、その采配がピタリとハマった。勝点を奪うにはゴールをこじ開けるしかない状況、確実に警戒されているなかで結果を出した瀬川も称賛されて然るべきだろう。
 
「(交代する際に監督からは)点を取ってこい、と。その過程として相手の最終ラインの裏を狙う、(江坂)任だったり、マルセロ(・トスカーノ)のスペースを作る動き出しを求められていました。
 
 最低限の勝点を取って帰れたのかな、と思います。ただ、正直勝たなければ今のチーム状態では意味がない。残留圏に浮上するためには連勝しないといけません。今月はあと4試合ありますが、対戦相手的にも重要なゲームになるでしょう」
 
 8月9日の21節・FC東京戦(11位)、13日の22節・新潟戦(18位)、19日の23節・鳥栖戦(9位)、26日の24節・広島戦(17位)。今後は中位以下のクラブとの対戦が続く。特に降格圏に沈む2クラブには勝利が必須となる。
 
 果たして、瀬川は本物の"救世主"となれるのか。「怪我が多くてチームに貢献できていない時間も長い。その分、出場したら結果を出してやるという気持ちは常に持っていた」と語った男の反撃は、ここから始まる。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

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