【石川直宏の証言】引退を伝えた時、同世代の大久保嘉人、前田遼一、茂庭照幸の反応は?

2017年08月02日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「3人でピッチに立ちたい」

昨季の長野戦(J3)で実戦復帰したが…。写真:サッカーダイジェスト

 2017年8月2日、FC東京の石川直宏が突然の現役引退を発表した。すぐにというわけではなく、あくまで今季限りでの引退だが、その決断に至るまでには紆余曲折があった。だからだろう。同世代として頑張ってきたチームメイトの前田遼一や大久保嘉人には、「引退」のことを伝えにくかったという。

「何度か伝えるタイミングあったんですけど、シーズン中だったし、彼らは彼らの立場があって……。だから、普段、話す機会は多くあるんですけど、今回の引退については僕からは言葉にしなかったし、ミーティングルームで選手みんなに伝えた時にふたりも初めて知ったはずです。

その後、ふたりがどんな表情をするかなと思いましたが、もう前に進んでいるようでした。振り返るのはまだ先、シーズンが終わってからですね。できれば、その前に3人で試合に出たいですし、お互いライバルですし、あとでゆっくり話ができたらと思います」

 前田や大久保に限らず、同世代の選手たちはいる。今回の引退会見で「ライバル」と名指ししたC大阪の茂庭照幸も含め、彼らと一緒にプレーし、時には敵として対戦できたことに、石川は幸せを感じている。

「(鈴木啓太選手の引退試合に参加して)本当に良い時代を良い仲間と過ごせたと思いました。もっとそういう時間を共有したいと思われてくれたのが、この間の引退試合でした。みんな、かけがえのない仲間です」

 そのひとりである茂庭に「引退」を伝えた時は意外にも「あっ、そう」と味気ない返答をもらったという。

「たぶん、あいつは言葉ではそういうけど、結構いろんなことを思っているはずです。
(引退するまで)もう一度戦いたいですね。彼のようなDFは少ないので。小学生の頃から刺激をし合っているので、最後まで刺激し合ってやっていきたいです」

 90分間フルに戦うことは無理だが、同世代の選手と共演できるチャンスはきっとある。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)



 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事