【U-17代表】攻撃の新オプション!? 飛び級招集の栗原イブラヒムジュニアとは何者か

2017年07月14日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

「自分の武器はフィジカルの強さ」

U-17北信越選抜との練習試合では、1本目に出場して1得点。しかし「高さでも『新しい武器』と呼べるようなものを示せなかった」と反省しきりだ。写真:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

 7月11日から新潟県新発田市で合宿を張るU-17日本代表には、U-16日本代表から6人が飛び級招集された。そのうちのひとりが、栗原イブラヒムジュニアだ。父はガーナ人、母は日本人のハーフ。2001年8月14日生まれの15歳で、三菱養和ユースに所属している。
 
 身長はGK谷晃生(190センチ)に次ぐ188センチ。フィールドプレーヤーとしては最も高い。取材した7月12日時点では、神戸U-18の小林友希(185センチ)がトップチームでの活動を優先して合流していなかったため、他の選手より頭ひとつ分ほど抜けて目立っていた。
 
 話を聞く際には、人懐こい笑顔を見せる。そんな栗原のプレー面での持ち味は、見た目通りに高さと強さ。「自分の武器はフィジカルの強さ。U-16日本代表では、競り勝つことでチャンスの匂いがしないボールをチャンスに変えてきた」という。
 
 U-17日本代表の森山佳郎監督は「先月のインターナショナルドリームカップ(宮城県で開催)で優勝したU-16代表から引き上げたのは、シンプルに大会で良かったから」と話していた。では、そのなかで栗原が選ばれた理由は何か。
 
 それを考えるにあたって、豪華なメンバーが揃うU-17日本代表のFW陣を簡単に紹介したい。まずは今回の代表活動に呼ばれている川崎U-18の宮代大聖と三菱養和ユースで栗原の先輩にあたる中村敬斗のふたり。
 
 前者は、この年代で屈指のキープ力を誇る。また、オフ・ザ・ボールの動きも見事。川崎U-18の今野章監督は「『収める』『運ぶ』『パス』『シュート』を高いレベルで備える万能型。来年からでもトップチームに絡める」と才能を高く評価する。
 
 後者は、洗練されたシュート技術を武器にする。12日に行なわれたU-17北信越選抜との練習試合(35分×2本)では、2本目に出場してハットトリックを達成。ハイパフォーマンスで周囲の度肝を抜いてみせた。
 
 そして、この合宿こそ招集外となったものの、スプリンタータイプのC大阪の山田寛人や横浜ユースの棚橋尭士も面白い存在だ。ともに昨年のU-16アジア選手権のメンバーであり、ワールドカップ出場を決めた準々決勝・UAE戦で出番をもらっている。
 
 栗原と同じ学年であり、「トップチームでの活動を優先させた」(森山監督)ために招集を見送った久保建英(FC東京U-18)の存在を忘れてはならない。5月に開催されたU-20ワールドカップにも飛び級で招集された逸材であり、能力の高さはもはや説明不要だろう。

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