「必ず世界で通用するGKになれる」U-17代表守護神を高桑大二朗GKコーチが絶賛

2017年07月13日 古田土恵介(サッカーダイジェスト)

「こちらの要求に対して頭の中で整理してクリアしていく」

試合はもちろん、トレーニングにも集中力高く取り組む谷。「頼もしい存在」と高桑GKコーチは語る。写真:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

 谷晃生。2000年11月22日生まれ、190センチ・82キロ、G大阪ユース所属。U-17日本代表で1番を背負う、押しも押されもせぬ正守護神だ。今春から高校2年生となり、佇まいにも随分と落ち着きが出てきた。
 
 昨年のアジア選手権からチームの軸ではあったが、「さらにリーダーリップを身に付けた」とは高桑大二朗U-17日本代表GKコーチの弁。「頼もしい存在です」と続く。
 
「昨年はまだ高校1年生で、ふわふわしていた面もあった。まだ周囲が見渡せていないと言うか、引っ張るのではなく、誰かに付いていくタイプ。でも今は、自分から発信できるようになりました」
 
 男子三日会わざれば刮目して見よ、を地で行く。この年代は、大袈裟な表現ではなく「たった1試合見ていないだけで違う選手になる」ことがあるから面白い。
 
「トレーニングに取り組む姿勢もまったく問題ない。とにかく集中しています。そのうえ、『何をすべきか』を自分なりに考えて、こちらが要求するものに対しても頭のなかで整理して、クリアしていく。
 
 所属クラブでは、トップチームで森下(申一)さんからいろいろと指導してもらっていると聞いています。それを血肉に変えられれば、もっと良い選手になるでしょうね」
 
 では、ストロングポイントと課題は? そう話を向けると、少しだけ考えて、高桑GKコーチはスラスラと言葉を紡いでくれた。
 
「強みのひとつは、さっきも少し話したリーダーシップ。それに、シュートブロックは他のU-17代表のGKよりも上ですね。ボールに対する反応もいいですから。
 
 一方の課題は『予測』でしょうか。今日(7月12日の午後に行なわれたU-17北信越選抜との練習試合。35分×2本で、谷は1本目に出場した)の失点も、シュートがディフレクションして入ってしまっている。
 
 アジア選手権の準決勝、イラク戦でもその形で失点しました。すごく難しいことなんですけど、シュートを受ける際にはボールに集中しながらも、周辺視野で状況を把握しておく。
 
『もしかしたらブロックの足が入ってきて、当たるかもしれない』。そういう『かもしれない』を選択肢のうちにひとつ、ふたつくらい加えられるようになれば、守備範囲も広がって、余計な失点も減るはずです」
 
 楽しみな存在ですね――。最後の最後、記者の気持ちを正直にぶつけてみた。すると高桑コーチもこう語ってくれた。
 
「今の自分の力を過信することなく、常に向上心を持ってやっていければ、必ず世界で通用するGKになれますよ。U-17日本代表の正GKというポジションに驕らず、戦い続けてほしいですね」
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
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