「僕の心で生き続ける」デフォーが余命数週間の少年に涙のメッセージ

2017年07月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

余命を知った時の胸中を告白。

交友関係を築いてきたブラッドリー君(左)とデフォー(右)。この二人の絆に全英が涙している。 (C) Getty Images

 現地時間7月6日、イングランド代表FWのジャーメイン・デフォーは、自身がキャリアをスタートさせたボーンマスに17年ぶりに帰ってきた。その入団会見において、ベテランFWはサンダーランドのファンで末期の小児ガンに苦しむ6歳の少年、ブラッドリー・ロウリー君との思い出を回顧した。
 
 二人が知り合ったのは昨年9月。神経芽細胞腫(小児ガン)の治療を受けてきたブラッドリー君の存在を知ったサンダーランドが、エバートンに招待したのがきっかけだった。
 
 憧れのストライカーに出会えたことを心底喜ぶブラッドリー君を見たデフォーも刺激を受け、自宅を訪問するなど家族も交えての交流がスタート。昨年3月に4年ぶりのイングランド代表復帰を果たした同選手は、自らがゴールを決めた3月26日のエストニア戦でエスコートキッズとしてブラッドリー君をウェンブリーのピッチに招いていた。
 
 しかし、ブラッドリー君の病状は芳しくなく、懸命な治療も報われずに現在は自宅で苦痛緩和看護を受けている。6月上旬には両親が、担当医から余命が数週間であると宣告されたことを「天使のお迎えが近づいている」とフェイスブックを通じて公表していた。
 
 そんなブラッドリー君について6日の会見で記者から質問が及ぶとデフォーは、「……ちょっとだけ時間をくれ」と涙を流して、言葉を絞り出すように語った。
 
「(余命を知ったとき)本当にきつかった。心がふさぎ込んでしまったよ。彼と彼の家族のために何とか強くあろうとした。それでも言葉は見つからない。残された時間は特別なものになる」
 
「初めて会ったとき、僕に駆け寄ってきた彼を見て、まさか重病を患っている子どもだなんて思わなかった。あの瞬間から僕らは繋がった。数日前にも彼と一緒にいたけれど、彼の苦しむ姿は本当に悲しい。僕の父(ジミー氏は2012年に喉頭がんで永眠)が亡くなった時は、覚悟ができていた。でもあれほど幼い子が、長く苦しんでいるのを見るのは本当に辛い」
 
「彼は僕の残りの人生において常に心の中に居続ける。それ以外に何が言える? 僕たちは家族のためにそばにいて、進みたいと思っている。それは難しいことかもしれないけどね。朝起きて、彼のお母さんから連絡はないか携帯をチェックしたり、本当に彼のことを考えない日はないよ。今だって彼のことを考えている」
 
 ボーンマスでのプレーについては、「過去2シーズン連続で15点を決めてきた。もう一回それができれば嬉しいね。僕は挑戦し続けたいんだ」と意気込んだデフォー。"友人"ブラッドリー君のためにも、新天地での活躍に期待したい。
 
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