引退した元イングランド代表MFの「前人未踏の偉業」とは?

2017年07月06日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

最下位に終わったチームで獅子奮迅の活躍。

現役生活の大半をロンドンのクラブで過ごしたパーカー。フルアムが5つ目だった。(C)Getty Images

 6月28日に現役引退を表明したフルアムのMFスコット・パーカー(36歳)。ハリウッドスターのような端正な容姿ながら、抜群の運動量を活かした泥臭いプレーが持ち味で、熱血漢としても知られた。
 
 イングランド代表で腕章を巻いた経験もある。2012年2月29日に開催されたオランダ代表との親善試合だった。ジョン・テリーが人種差別発言でFAからキャプテンマークを剝奪され、その突然の決定に抗議する形でファビオ・カペッロ監督が辞任。急遽スチュアート・ピアース暫定監督が指揮を執り、誰が主将を務めるのか大きな注目を集めたその試合で大役を担ったのが、パーカーだった。
 
 1998年にチャールトンでプロデビューを飾り、ノーリッジ(レンタル)、チェルシー、ニューカッスル、ウェストハム、トッテナム、そしてフルアムを渡り歩いたパーカーがもっとも輝いたのが、ウェストハムでプレーしていた10-11シーズンだ。
 
 チームは下位に低迷していたものの、攻守に渡り獅子奮迅の活躍を見せ、フットボール記者協会(FWA)に所属するジャーナリストの投票で決まる「FWA最優秀選手」に選出されたのだ。
 
 パーカーの奮闘もむなしく、チームは最下位で2部に降格する憂き目にあった。後にも先にも、最下位のチームからFWA最優秀選手に輝いたのはパーカーだけだ。恐らく、今後も達成される可能性が極めて少ない偉業と言えるだろう。
 
「次の道に進むべき時がきた。自分のキャリアを誇りに思うし、満足感でいっぱいだ」
 
 最後にそうコメントしてユニホームを脱いだパーカーは、古巣トッテナムのU-18チームのコーチとアンバサダーへの就任が決定している。第2の人生にエールを送りたい。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
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