清武、酒井宏の元同僚がドイツをコンフェデ優勝に導く!W杯ではゲッツェの代役に?

2017年07月04日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ハノーファー時代にトップ下にコンバートされ得点力が開花。

3得点を挙げる活躍でドイツのコンフェデ制覇に貢献したシュティンドル。(C)Getty Images

 マヌエル・ノイアー、メスト・エジル、トーマス・ミュラーといった主力を外し、6人の初招集を含んだ実質Bチームのメンバーで見事にコンフェデレーションズ・カップ2017を制したドイツ代表。そのなかで一際眩い輝きを放ったのが、4試合に出場して3得点を挙げたラース・シュティンドル(28歳)だ。
 
 今大会は3-4-2-1システムのシャドー、もしくは1トップでプレー。オーストラリアとのグループリーグ初戦でユリアン・ブラントの折り返しに合わせて代表初ゴールを挙げると、続くチリ戦でもヨナス・ヘクターのクロスに反応してネットを揺らす。そして、再びチリと相見えた決勝では、敵陣深くでボール奪取に成功したティモ・ヴェルナーのお膳立てから無人のゴールに流し込んだ。これが決勝点となり、ドイツをコンフェデ杯初優勝に導いた。
 
 現在28歳のシュティンドルはボルシアMGで16-17シーズンにキャリアハイの11得点をマークし、その活躍ぶりを評価されてコンフェデ杯のメンバーに選出。それまでの代表歴といえば、U-21で1試合に出場したくらいで、国際舞台とはほぼ無縁のキャリアを歩んできた。
 
 12歳で門を叩いたカールスルーエで頭角を現わし、ハノーファーに引き抜かれたのが2010年夏。当時の主戦場は右サイドハーフやセントラルMFだったが、入団5年目の14-15シーズンに転機が訪れる。トップ下にコンバートされ、眠っていたゴールセンスが開花。10得点をマークし、チームメイトの清武弘嗣、酒井宏樹とともに2部降格の危機に瀕していたチームを残留に導いた。
 
 15年夏には国内屈指の強豪ボルシアMGに引き抜かれ、2年目の16-17シーズンは主にFWでプレー。ブラジル人のラファエウとともに機動力溢れる2トップを形成し、チームを力強く牽引した。
 
 決定力もさることながら、特筆に値するのがポジショニングセンス。的確なタイミングでスペースに顔を出し、シンプルなパス&ゴーで崩しのクオリティーを高める。コンフェデ杯でもその持ち味を存分に発揮し、「ラースのパフォーマンスは完璧だった」とヨアヒム・レーブ監督から絶賛された。
 
「(代謝障害で離脱中の)マリオ・ゲッツェに代わってシュティンドルを偽の9番としてすべき」
 
 複数のドイツ・メディアが報じているように、CFのレギュラーが定まっていない世界王者にとって、シュティンドルの"ゼロトップ"は、連覇を狙うワールドカップに向けて有効なソリューションのひとつになるだろう。
 
 ドイツ代表におけるコンフェデ杯における最大の収穫は、このシュティンドルの台頭だったと言っていい。
 
文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事