【緊急寄稿】柴崎岳の去就をテネリフェの番記者が占う「まるで楽観視はできない」

2017年06月28日 アレハンドロ・スカレ

お互い歩み寄るスタンスで、話し合いを進めているという。

クラブもファンも柴崎の残留を望んでいる。選手本人の下す決断やいかに!? (C)Getty Images

 2016-17シーズンの終了と同時に、ガク・シバサキの周辺が騒がしくなっている。もちろん、その去就についてだ。
 
 テネリフェが1部昇格を果たした場合に適応されるはずだった「契約の自動延長オプション」は、プレーオフ決勝でヘタフェに敗れたことにより無効となった。現行の契約では、6月30日付で期間満了となる。それに呼応するようにベティス、アラベス、セルタ、マラガといくつかの1部クラブが獲得に名乗りを上げたと報じるメディアもあるが、いずれにせよ現時点では噂の域を出ていない。

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 当然テネリフェは、すっかりチームの中心選手に成長したこの日本人MFの流出を、黙って見逃すつもりは毛頭ない。クラブの方針は慰留で固まっており、昇格プレーオフ決勝の第2レグを現地ヘタフェの本拠地コリセウム・アルフォンソ・ペレススタジアムで観戦した代理人にも、すでにその希望を伝えている。
 
 テネリフェの強みは、ミゲル・コンセプシオン会長が認めているように、ガクが島での生活とチームや仲間との信頼関係、その両方に満足している点だ。クラブは来シーズンの昇格を目ざす新プロジェクトの重要な戦力のひとりと位置付けており、慰留のためにそれ相応の金額を提示するのは間違いない。
 
 ただそれでも、スポーツディレクターのアルフォンソ・セラーノが明かしたように、残留交渉は困難を極めそうだ。
 
 ガクは入団当初こそ新しい環境への適応に苦しんだものの、継続されて起用されると定位置を確保し、昇格プレーオフではチームのキーマンとなる活躍を披露。その華麗なプレーで人気もうなぎ登りとなり、ファン投票による5月の月間MVPにも選出された。
 
 環境にも慣れた2年目はさらなる飛躍が見込める。ただ逆に言えば、それだけ評価が上昇しているわけで、しかもフリートランスファーのため獲得のための移籍金が発生しない。いまはまだ噂の域を出ない前述の1部クラブのどこかが正式に獲得オファーを出しても、なんら不思議ではないのだ。
 
 コンセプシオン会長によると、代理人サイドとは残留に向けて、お互い歩み寄るスタンスで話し合いを進めているという。番記者としてのわたしの去就予測は、具体的なパーセンテージを出すのは控えさせてもらうが、「まるで楽観視はできない」となるだろうか。
 
 クラブもファンも残留を強く望んでいる。ガクがどのような最終決断を下すのか、注目して見守りたい。
 
文:アレハンドロ・スカレ『Diario AS』紙
翻訳:下村正幸
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