【川崎】シュート数は21対10で圧倒も…勝ち切れなかった戦いを中村憲剛はどう見たか?

2017年06月26日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「相手の前線の選手をもっと帰陣させたなかで押し込みたかった」

後半早々に先制点を決めた中村は、チームの戦いぶりに言及。攻守において、自らの見解を示した。写真:川本 学

[J1・16節]G大阪1-1川崎/6月25日/吹田S

 互いに攻め合った一戦は引き分けに終わったが、シュート数では川崎が21対10とG大阪を圧倒した。


 ただし、決定機はそう多くはなかった。中村憲剛の先制点を含めると、その数は多く見積もっても4度ほど。G大阪のそれ(5度)には及ばなかったのだ。つまり、完全に崩し切らず、シュートへ持ち込む場面が多かったとの見方ができる。

 実際、4-2-3-1のトップ下で先発した中村は、オフェンス面についてこう指摘した。

「全体的にもうひと手間、ふた手間かけて、相手を自陣に押し込めればカウンター(を受ける回数)ももうちょっと少なくなったかなというのが正直ありますね」

「もうちょっと崩したかったなと。結局、相手が4枚プラス1枚くらいしか帰らない状態で攻めて弾き返されて、その状態でカウンターを受ける。向こうがある程度前に残った状態でこっちはカウンターを仕掛けていた。そこで相手の前線の選手をもっと帰陣させたなかで押し込みたかった」

 パスワークを軸としつつ、状況に応じショートカウンターも織り交ぜた戦いが、まったく機能していなかったわけではない。ただ、相手を守備に回らせる時間を増やしていけば、より消耗させることも可能だったろう。その意味でも、遅攻をもう少し増やしていくべきだったと、中村は考えていたようだ。

 一方守備面については、失点直前の対応に不味さがあったという。

「向こうがふたり選手を代えてきた時に、エアポケットになったかなと。(G大阪が)4-4-2にシステムを変えたので、誰がどう付くかがぼやけた」

 G大阪は64分に堂安律、遠藤保仁を下げ、アデミウソン、藤本淳吾を投入。これに伴い中盤を3→2ボランチにシフトしたため、マークが曖昧になったと指摘しているのだ。守備はある程度組織的に機能していただけに、「そこの5分、10分くらいがもったいなかった」(中村)と言うのも頷ける。

 もっとも、悲観する内容ではなかったのは、「ネガティブな要素はあまりない」(中村)との言葉からも窺えるだろう。勝ち切れなかった事実は看過できないが「逃げることなく仕掛ける場面も前より増えていた。次の試合につながる」(鬼木達監督)と感じられたのはポジティブに捉えられそうだ。

【G大阪1-1川崎】堂安 ラストマッチPHOTOS

取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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