【コンフェデ杯】VARシステムで“人違い退場”回避も…ドタバタ劇にカメルーンの指揮官は憤慨

2017年06月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

勝ったドイツの指揮官も疑問を呈した退場判定…

マブカ(背番号2)退場で起こったドタバタ。機械はしっかり機能しても、それを使う人間のミスがなくなることはない。 (C) Getty Images

 6月25日(現地時間)に行なわれたコンフェデレーションズカップのドイツ対カメルーン戦。世界王者が3-1で勝利して準決勝進出を決めたこの一戦で、64分に起こったカメルーンのエルネスト・マブカ退場は、試合の流れに大きな影響を与えた。

 
 この場面は、浮き球に対してマブカとドイツのエムレ・ジャンがともに足を高く上げて迫り、マブカがジャンの足を蹴るかたちとなってしまった、というものだ。
 
 ここでドタバタが起こった。ウィルマール・ロルダン主審が最初に、マブカではなく、なぜかセバスティアン・シアニに対してイエローカードを掲げたのだ。ここでVARシステム(ビデオ判定)が用いられるも、ロルダン主審は再びシアニ対し、今度はレッドカードを提示した。
 
 すると、カメルーンの選手たちは猛抗議して再度、ビデオ判定を要請。これが受け入れられた結果、シアニの退場は取り消され、マブカがピッチを去ることとなった。
 
 この件に対し、カメルーンのユーゴ・ブロース監督は「審判から何も説明がなかった」と憤慨。「何が起こったか? 知らないね。審判に聞いてくれ。なぜ、イエローがレッドに変わったのか? なぜ、違う選手が退場になったのか? 何の説明もないんだ」と不満を露にした。(『ESPN』より)
 
 そもそも、この元ベルギー代表DFの指揮官としては、自チームの選手だけが罰せられたこと自体が受け入れらないものだった。
 
「足を高く上げることは、確かにルールに反するプレーだったかもしれない。しかし、それはマブカだけでなく、ジャンも同じだった。なぜ我々の選手だけが退場になったのか理解に苦しむ」
 
 それまで、カメルーンは1点をリードされながらも果敢に攻め、きわどいシュートを何本も放っており、同点、さらには勝ち越しの機運も高まっていただけに、その流れを止められた(この退場劇のわずか2分後に失点)怒りは収まらないようだ。
 
 もっとも、判定に疑問を感じているのはカメルーン側だけではない。ドイツの指揮官であり、この試合で代表監督就任100勝目を飾ったヨアヒム・レーブも、マブカの退場は妥当な判定ではないと考えている。
 
「当事者であるジャンとも話したが、彼もあれはファウルではないと言っていた。私自身も、同様に感じた。不運な偶然であり、決して故意によるものではなかったと思う」
 
 そう語るレーブ監督は、一方でVARについては好意的な考えを述べている。
 
「まだまだ改善すべき点はあるが、オフサイドによるゴールが取り消されるなど、VARの有用性はこれまでに証明されている」
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