【C大阪】“トップ下清武”という攻撃オプションも。負けないユン・セレッソの新たな可能性

2017年06月18日 前田敏勝

後半45分だけで7キロ以上の走行距離を記録した清武。

清水戦ではトップ下で起用された清武。新たな攻撃オプションが見られた。写真:川本 学

 中断期間を経て2週間ぶりのリーグ戦に臨んだC大阪。15節の清水戦では、開始早々に先手を取られ、ビハインドを負った戦いとなったことで、「ゲームプランが崩れてしまった」(丸橋祐介)。
 
 さらに、失点後にやってきたファーストチャンスで杉本健勇のシュートが清水GKの六反勇治に阻まれると、その後も、敵陣に相手を押し込んでいたとはいえ、ゴール前を固める清水の壁を崩しきれない。
 
 試合終了間際、フリーキックの流れから、相手のハンドによりPKを得て、怪我から復帰した清武弘嗣の3試合ぶりとなるゴールで同点に追い付くことはできた。だが、相手の倍以上となる16本のシュートを放ち、12本のCKを活かしきれなかったのも事実だ。
 
「0-0の状態でチャンスを多く作れば、決めるチャンスは(もっと)多いもの。失点したのは完全に集中していなかったからだと思うし、もう二度とこういうことがないようにしたい」
 柿谷曜一朗は今季のC大阪が得意とする先手必勝の戦いができなかったことを悔いた。
 
 それでも、0-1で迎えた後半、目立ったのはユン・ジョンファン監督の積極的な采配。「どうしても勝負をつけたかった」と、後半開始から、ボランチの木本恭生に代えて、負傷明けの清武弘嗣を「自分が一番したいポジション」という本職のトップ下に据える。
 
 清武はその起用に応え、後半45分だけで7キロ以上の走行距離を記録したように、ボールのあるところに常に顔を出して、チームにリズムを生み出し、攻撃を活性化。これまではチームの軸とするサイド攻撃へのこだわりがあり、清武もサイドハーフとしての活躍を求められていたが、水沼宏太、柿谷曜一朗といった年代の近い攻撃陣との併用で好連係も生まれ、新たなオプションも増えた。

次ページシステム変更も違和感なし。攻撃面のオプションも増えつつある。

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