前鹿島監督・石井正忠氏が、テネリフェの昇格プレーオフを展望「柴崎はすでにチームの中心」

2017年06月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

クラブワールドカップのマドリー戦や現在はスペインで活躍する柴崎について語る。

前鹿島監督の石井正忠氏は、スペイン1部昇格プレーオフ決勝2ndLegでは自身初の解説を務める。写真:WOWOW

 レアル・マドリーが5シーズンぶり33回目の優勝を飾った16-17シーズンのリーガ・エスパニョーラ。1部の戦いは幕を閉じたが、2部は現在、最終局面を迎えている。柴崎岳が所属するテネリフェは、2部4位で昇格プレーオフ準決勝に進出し、2部5位のカディスと現地6月15日(木)に1stLegを戦った。8試合連続先発出場を果たした柴崎も存在感を発揮できず、アウェーの試合は0-1で敗れた。

 準決勝2ndLegは、6月18日(日)。シーズン全てをかけた一戦となる。この大一番を前に、2017年5月まで鹿島アントラーズ監督を務め、昨年のクラブワールドカップ2016決勝でレアル・マドリーを延長戦まで追い詰めた石井正忠氏が、WOWOWのインタビューで昇格プレーオフの展望と柴崎への期待を語った。
 
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 ――昨年12月のクラブW杯では決勝に進出して、レアル・マドリーと激闘を繰り広げました。ご自身にとって、どんな経験になりましたか?
 
石井氏「色々なタイプのチームと対戦し、選手の成長も感じる濃い1カ月になりました。マドリー戦に関しては、力の差があるのはわかっていたので、しっかり自分たちのスタイルで戦おうという意気込みで臨みました。日本チームの代表として、引いて守る形ではなく、決勝まで来たのだから、自分たちの戦い方を出す気持ちで挑みましたね」
 
――やはり、世界との差は感じましたか?
 
石井氏「テレビで見ても感じていましたが、『世界のトップ選手とはこんなに差があるんだ』と、同じピッチではより感じました。それでも試合前に、守備は崩せるチャンスがあると分析担当と話していましたし、実際戦ってみて点を獲れるイメージはあったので、柴崎選手が良く決めてくれた(2ゴール)という感じです」
 
――鹿島が2点を獲った後は勝利の可能性も感じましたし、相手の雰囲気も変わりました。
 
石井氏「内容を見ても、自分たちがボールを保持する時間があったので、勝てるだろうと感じていました。レアルもゆっくり試合に入りましたけど、途中から向こうのプレーが変わったし、会場の雰囲気が変わったのも感じました。クリスチアーノ・ロナウドについては、やはり世界一流の選手はこういう舞台で決める能力・技術があるのだと、改めて思いましたね」
 
――あの戦いが日本サッカーに残したものをどう感じていますか?
 
石井氏「サッカーだけではなく、日本のスポーツ界全体に影響を及ぼすような戦いを、鹿島はしたと思っています。結果的に負けましたが、世界的クラブに対して日本のサッカーチームが対等以上に戦えたのは、日本のスポーツに大きく影響するような、そんな価値のある戦いだったと思っています」

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