柴崎岳の見せ場もわずか…テネリフェ、昇格プレーオフ1戦目を0-1で落とす

2017年06月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

中盤の司令塔である柴崎は第2戦のキーマンに

時折見せるパスや位置取りにセンスの良さを感じさせた柴崎。アウェーで苦戦することは予想の範疇だっただろう。第2戦でいかなる働きを見せるかに注目だ。写真はリーガ最終節サラゴサ戦のもの。 (C) Getty Images

 6月18日(現地時間)、リーガ・エスパニョーラ2部の昇格プレーオフ準決勝の第1戦が行なわれ、テネリフェは0-1でカディスに敗れた。


 リーガの3位から6位までのチームが、トーナメント方式で1部リーグ行きの1枚のチケットを争う戦い。4位のテネリフェは、5位カディスのホームに乗り込んだ。リーガでは1勝1分けの対戦成績を残している。
 
 試合は予想通り、地元サポーターの後押しを受けたホームチームが攻勢に立った。ボールを持つと迷いなく縦にパスを通して、相手ゴールに迫っていく。
 
 7分にファーストシュートを放ったカディスは、14分、CKからDFアリダネがフリーでのヘッドでゴールを決めるが、直前にテネリフェのヘルマンに対してファウルがあったということで無効に。しかし、ヘルマンは自らバランスを崩して倒れただけであり、ホームチームにとっては不運な判定となった。
 
 一方、救われたテネリフェはだが、相手の厳しいプレッシャーの前に持ち前のパスワークを封じられ、攻撃のかたちを作れない。シュートどころか、相手陣内にもなかなか入ることができない状況が長く続いていった。
 
 柴崎は、リーガ最終節(対レアル・サラゴサ)に続いてボランチとしてプレー。開始3分でティロネに鋭い縦パスを通し、カウンターの起点となったり、ポジションを上げてサイド突破を試みたりするなどの場面も見られたが、大部分の時間帯で守備に忙殺され、存在感も薄くなった。
 
 38分にテネリフェのGKダニ・エルナンデスが早くも遅延行為で警告を受けたが、ここからもアウェーチームの苦しい状況が窺えたものである。
 
 結局、テネリフェが1本もシュートを放てずに終わった45分間を経て、試合は後半へ。しかし、カディスは開始1分でいきなりアルバロ・ガルシアがきわどいミドルを放つなど、前半同様に主導権を握って攻め続ける。
 
 ただ、ここではテネリフェも反撃を仕掛け、53分には柴崎が右タッチライン際からCFアマトにスルーパスを通してシュートチャンスを提供する。そして59分、テネリフェはさらなる攻撃の活性化を狙って、ベンチスタートのFWロサーノを投入した。
 
 しかし、この直後に数度のチャンスを作ったカディスは、さらに攻勢を強めた矢先の64分、アケチェが相手の虚を衝くロングシュートをゴール右隅に突き刺し、ついに先制ゴールを決めた。
 
 勢い付いたホームチームはその後、完全にボールを支配して、多重攻撃を仕掛ける。対して防戦一方のテネリフェはファウルが多くなり、試合はイエローカードが次々に掲げられる、やや荒れた展開となった。
 
 終盤はテネリフェが幾らか盛り返してカディス・ゴールに迫ったものの、ロサーノのカットインからのシュート(わずかに枠外)以外には決定的な場面は作れず。アディショナルタイム、柴崎が蹴った2本のCKもはね返され、試合はホームチームの勝利に終わった。
 
 0-1の敗北は、得意とするホームゲームを残すテネリフェにとって決して最悪の結果ではないが、第2戦では無失点を保ちながら、なおかつできるだけ早い時間帯でのゴールが必要となる。その意味では、中盤で好守に重要な役割を担う柴崎がキーマンになると言っても良いだろう。
 
 運命のリターンマッチは18日に行なわれる。なお、準決勝第1戦のもう1試合、ウエスカ(リーガ6位)対ヘタフェ(3位)は14日に行なわれており、こちらは2-2の引き分けに終わっている。
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