本田の元相棒はミランからフランスへ!? 「W杯」を軸に身の振り方を決める選手たち

2017年06月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

求めるのは「欧州のレベルの高いリーグでプレーし続けること」

ミランでは1年目でリーグ戦38試合、2年目は31試合に出場。決して干されているわけではないが、絶対的な信頼を勝ち取っているわけでもなかった。ミランは売却を望んでいるようであり、移籍はほぼ確実か。 (C) Alberto LINGRIA

 夏の風物詩である選手の移籍。9月初旬まで続くマーケットはその扉を開いたばかりだが、現時点ですでに幾つもの交渉がまとまり、また多くの興味深い噂が世界中から生まれては消えていく――。

 
 選手が移籍を決断する理由は様々だが、今夏はその判断基準を来年に迫ったロシア・ワールドカップに置く選手が多い。W杯で最終メンバーに入るため、あるいはW杯でベストパフォーマンスを披露するために、彼らは現状を見つめ、残留か移籍かを天秤にかけるのである。
 
 ビッグクラブから引く手あまたにもかかわらず、アントワーヌ・グリエーズマンはアトレティコ・マドリー残留を決意し(クラブが補強禁止という窮地に陥ったという事情もあるが)、キリアン・エムバペがやはりモナコ残留に傾きつつあるのも、W杯1年前での移籍のリスクを考慮したからだろう。
 
 逆に、この時点で出場機会に恵まれていない選手は、状況を変えるべく新天地を求める。レアル・マドリーではハメス・ロドリゲス、アルバロ・モラタが、移籍は既定路線と見られ、日々、多くの移籍先候補の名が挙がっている。
 
 そしてミランではこのたび、具体的なクラブ名は明らかになっていないものの、コロンビア代表FWのカルロス・バッカにフランス行きの噂が浮上した。
 
 ミランがポルトの21歳、アンドレ・シウバを3800万ユーロといわれる移籍金で獲得し、このままだと来シーズンはさらに前線でのポジション争いが熾烈となることは間違いないが、バッカは求めるのは「欧州のレベルの高いリーグでコンスタントに試合に出場すること」である。
 
 彼の代理人であるセルヒオ・バリラは「カルロスは、南米予選(現時点で2位)でチームの本大会に行きに貢献し、来夏、ロシアでプレーしたいと考えている」と明かし、そのためには、クラブでピッチに立ち続けることが必要だとしている。(『footmercato.net』より)
 
「だから、それ以外のオファーには興味がない。彼には欧州以外からも多くの引き合いがある。それらのなかには、欧州のクラブよりはるかに金銭面の条件が良いものもあったが、我々にとってそれは現在の優先事項ではない」
 
 そんな彼らにとって、フランス・リーグアンという舞台は十分に満足のいくものだという。
 
「欧州でもベストなリーグのひとつだ。スペイン、イングランド、ドイツと並んでね」
 
 もっとも、代理人はミラン退団を明言したわけではない。「カルロスはまだ、ミランの支配下にある選手だ。我々は契約というものを尊重している」とも語っている。しかし、W杯出場のために、何がベストなのかを探っていることは否定しなかった。
 
「多くのクラブが彼に注目し、声をかけてきているのは事実である。夏は長い。この移籍マーケットのなかでこの先、何が起こるかは誰にも分からない。我々は冷静に状況を見定めなければならない」
 
 2年前にセビージャから加入して以降、決して満足なシーズンを送っているとは言えないバッカがどんな決断を下すか。そしてそれが正解となるか否か。来夏に出される結果も含めて、非常に興味深い。
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