【日本代表】ACLで川崎との対戦に「本音を言えばやりたくない」と語る槙野智章の真意

2017年06月07日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

すべては日本のために。

槙野はACLで川崎と対戦することに驚きの表情を見せた。写真:徳原隆元

 日本代表は6日、シリアとの親善試合に向けて前日練習を実施。同日には浦和と川崎がベスト8に進出した、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)の準々決勝組み合わせ抽選会が行なわれたが、トレーニング後、浦和の対戦相手が川崎に決まったことを、報道陣から伝え聞いた槙野智章が驚きの表情を見せた。
 
「マジっすか! 知らなかった。代表に集中していたので。本音を言えば、やりたくないとみんなで言っていましたね」
 
 もちろん、国内同士の戦いでやり方や選手の特長が分かるだけに、やりづらさはあるだろう。しかし、その後の言葉からは「やりたくない」真意を感じ取れた。
 
「来年のACL枠とかいろいろ考えたら、両チームとも上がって日本勢が(ベスト4に)残りたかった」
 
 ACLは2016年、出場枠の決定法について変更を発表している。従来の代表チームにおける成績を加味した方法から、ACLでの成績を重視したレギュレーションへの変更だ。つまり、槙野の発言は日本勢の来季のACL枠を意識してのコメントだった。
 
 所属する浦和だけにとどまらず、Jリーグ全体についても考える槙野。その母国への忠誠心は日本代表としても、存分に示している。
 
「ハリルジャパンでは真ん中、右、左、いろいろとやってきました。今回は真ん中ということなので、CBとしてシリア戦(6月7日)、イラク戦(6月13日)の準備をしている。与えられたポジション(CB)で自分の役割を果たさなければならない」
 
 様々なポジションへの対応に自信を漲らせる槙野は、6月の2連戦へイメージを膨らませる。
 
「周囲の選手と良いコンビネーションでやらなければいけないと思う。僕ひとりでどうこうするというよりは、チーム全体で良い守りをしたい」
 
 ワールドカップへの切符を懸けた大一番(イラク戦/6月13日)で、これまで不動だった森重が外れたことにより、ディフェンスラインの組織が懸念事項となっている。しかし、そんな不安は、この熱き魂を持つ男が解消してくれるのかもしれない。
 
取材・文:志水麗鑑(サッカーダイジェスト)
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