【日本代表】シリア戦で“新たな役割”に挑む山口蛍。アンカーとして輝けるか

2017年06月07日 本田健介(サッカーダイジェスト)

“因縁の相手”との一戦でイラク戦への弾みを付けたい。

シリア戦にはアンカーとして先発しそうな山口。前日練習では軽快な動きを見せた。写真:徳原隆元

 キャプテンの長谷部誠が右膝の負傷で戦線離脱中のなか、日本代表は6月7日のキリンチャレンジカップ・シリア戦で、アンカーを置いた4-3-3システムを採用する見込みだ。
 
 中盤が逆三角形のシステムでは、アンカーが攻守のバランスを司る。3月のUAE戦に続き、この重要な仕事をこなしそうなのが山口蛍だ。
 
 前日練習を終え、「まだ分からないです。スタメンが発表されてからじゃないと何とも言えないので」と、記者からの質問を煙に巻こうとした山口だが、アンカーの役割について問われると次のように答えた。
 
「守備のリスクマネジメントが一番の役目。前の(インサイドハーフ)ふたりは自由にやってもらいたい。後ろはCBと(アンカー)1枚で十分に戦えるので、攻撃的にやってもらったら良いのかなと」
 
 C大阪で慣れ親しんだダブルボランチとの違和感はある。
 
「真ん中にいる時間が長くなると思う。(ダブル)ボランチだったら前に出ていけるし、サイドを追い越したりとできるけど、アンカーは真ん中が基本。ポジショニングの違いはある」
 
 それでも「自分たちがボールを持つ時間が長くて、押し込めるかもしれないですが、(相手の)カウンターは脅威になるはずなので、そこを抑えることが大事」と、自らに課せられた仕事を理解している。
 
 シリアと言えば、昨年3月にワールドカップ・アジア2次予選で戦い、山口はハイボールを競り合った際に、鼻骨骨折および左眼窩底骨折という重傷を負った。試合には勝ったが、嫌な思い出のある相手だ。
 
「苦い思い出はあるので、普通の状態ではないと思います。ただ、それを乗り越えていかなくてはいけないと感じています」
 
"因縁の相手"との一戦で結果を残し、最終予選のイラク戦に(6月13日/テヘラン/PASスタジアム)に弾みを付けられるか。中盤のキーマンの働きに注目だ。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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