【横浜】“デュエル”なタックルでピンチを阻止。ボランチ扇原貴宏の充実ぶり

2017年06月04日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「しっかり自分のタイミングで身体をぶつけれた」

Jリーグでは直近2試合に連続フル出場し、チームの2連勝に貢献。中町や天野、喜田と層の厚いボランチのレギュラー争いで、扇原はその存在感を高めている。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ14節]横浜 2-0 川崎/6月4日/日産ス

 激しくも、クリーンなタックルだった。
 
 終盤、川崎の小林悠がカウンターで抜け出すと、CBの中澤佑二が対応する。1対1の局面。横浜の背番号22は、相手を遅らせようと一発では飛びこまない。一瞬の空白――その瞬間だ。後方から猛然とプレスバックしてきた扇原貴宏が、小林にタックルをかましてボールを奪ってみせた。
 
「(中澤が)うまくこっちに追い込んでくれた。あとはしっかり自分のタイミングで身体をぶつけれたので、上手くボールが取れた」
 
 どちらかと言えば線の細いタイプだけに、意外なプレーだった。そんなぶしつけな記者の質問に対し、扇原は少しだけ頬を緩めて答えてくれた。
 
「まあ、見た目は細いですけど、トレーニングはしっかりやっていますし、そういう部分ももっともっと強くなって、上を目指してやっているので」
 
 日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督の言葉を借りれば、これぞ"デュエル"なディフェンスだった。その印象も伝えると、「デュエルで勝てる回数を増やしていきたいですね」と応じる。
 
 このプレー以外でも、サイドチェンジから生まれたウーゴ・ヴィエイラの先制点の場面では、しっかりとゴール前に詰めていた。
 
 攻撃でも守備でも、ボランチの位置から深いエリアにまで顔を出す。左利きの技巧派ボランチは、以前に比べて逞しさが増している。
 
「しっかりと90分、走れたと思う。チームも2連勝。中断明け以降も良い戦いを続けていきたい」
 
 その"2連勝"でどちらにもフル出場している扇原は、ますますその存在感を高めているのは間違いない。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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