【CL】“物が違った”21歳、アセンシオ! 近い将来「白い巨人」を牽引する存在に――

2017年06月04日 高橋泰裕(ワールドサッカーダイジェスト)

今大会での活躍は序章に過ぎない

終了間際に勝利を確実にする4点目を奪ったアセンシオ。ジダン監督の起用に見事に応えた。 (C)Getty Images

[CL決勝]ユベントス 1-4 レアル・マドリー/6月3日/ナショナル・スタジアム(カーディフ)
 
 大勢が決した終了間際の90分にダメ押しの4点目を奪ったのが、21歳のMFマルコ・アセンシオだ。左サイドを突破したマルセロのグラウンダーのクロスに合わせ、ユベントスの守護神ジャンルイジ・ブッフォンの牙城を容易く破ってみせた。
 
 今大会は準々決勝のバイエルン戦から、ジョーカーとして存在感を発揮。第1レグではC・ロナウドの決勝点をアシストし、続く第2レグでは3-2で迎えた112分に鋭い突破から勝利を決定付ける追加点を奪ってみせた。

 アトレティコ・マドリーとの準決勝でも、2試合とも途中出場。短い時間ながらチャンスを作り、そして決勝でも大仕事をやってのけた。
 
 テクニックと馬力を備えたレフティーで、15年1月にマドリーに入団し、同年8月にエスパニョールにレンタル移籍。そこでいきなりレギュラーとして活躍し、頭角を現わした。

 マドリーに復帰した今シーズン、ジネディーヌ・ジダン監督からその才能を高く評価され、公式戦38試合に出場し10得点を挙げた。
 
「物が違う」
 
 本誌ワールドサッカーダイジェストでお馴染みのスペイン人記者、ヘスス・スアレス氏はアセンシオをそう絶賛する。

 その評価は、確かに的を射ていた。

 決勝もさることながら、驚かされたのが前日練習でのプレーだ。難易度の高いボールを平然とコントロールすれば、正確な左足のパスで違いを生み出す。スター軍団のR・マドリーのなかでも、その存在は際立っていた。
 
 おそらくアセンシオにとって、今大会の活躍は序章に過ぎない。C・ロナウドに取って代わり、エースとしてチームを牽引する日も、そう遠い先の話ではないだろう。
 
現地特派:高橋泰裕(ワールドサッカーダイジェスト編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事