「トッティに続いて俺まで去るわけには…」デ・ロッシがローマと契約延長、ミラノ行きは消滅

2017年06月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

発表はトッティ退団に気を遣って先延ばしに。

新シーズンからデ・ロッシ(右)は、退団したトッティ(左)から正式にキャプテンを引き継ぐことに。写真:Alberto LINGRIA

「トッティに続いて俺まで去るわけにはいかなかった」
 
 現地時間5月31日にローマと2019年までの新2年契約を結んだダニエレ・デ・ロッシ(33歳)は、同日の記者会見でそう語った。
 
 現行契約が今年6月30日までだったイタリア代表MFには、ミランやインテルからローマよりも高年俸のオファーが届いていた。しかし、結局はローマ残留という決断を下す。これまで計16シーズンの公式戦通算で561試合・56ゴールという成績を残してきた。
 
 そのひとつの理由は、子供の頃からファンで、2000年に16歳で下部組織に入団して以降、ずっと捧げてきた心のクラブだから。「新契約を結べて幸せだ。ここは俺の家だからね」と満面の笑みを見せた。
 
 そしてもうひとつが、16-17シーズン限りでのローマ退団が決定したフランチェスコ・トッティの存在だ。5月28日の最終節後の退団セレモニーでは、本人もファンも、そしてチームメイトも涙を堪え切れない感動的でエモーショナルなものになった。25年に渡って君臨したそのバンディエーラ(旗頭)がいなくなった喪失感は大きく、デ・ロッシは同じく生え抜きで絶大な人気を誇る自分までチームを去るわけにはいかなかったと語った。
 
「実はけっこう前にローマとは延長で合意していた。でも、日曜日より前には発表したくなかった。トッティの別れを邪魔しなくなかったからね。彼の退団は全員にダメージを与えた。俺はそれについて考えたよ。フランチェスコが去った後、俺まで出て行くことなんてできなかった。それはロマニスタにとってあまりにも厳しい衝撃になっていただろう」
 
 長らく「未来のカピターノ(主将)」と呼ばれ、トッティのベンチスタートが増えた近年はほとんどの試合でキャプテンマークを巻いてきたデ・ロッシは、偉大なる背番号10の退団で、ようやく正式なキャプテンに就任する。「情熱を持ってフランチェスコの後を引き継ぎたい」と意気込んだ。
 
 トッティに続いてルチアーノ・スパレッティ監督の退団も5月30日も決定したローマは、セビージャで名を揚げたモンチを強化担当者に迎え、新たな時代のサイクルをスタートさせる。その中でデ・ロッシのリーダーシップは極めて重要になるだろう。
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