【日本代表】“前日招集”の宇佐美貴史が語る「選手としての宿命」

2017年05月29日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

連絡があったのは、5月27日、キャンプ前日の夜だった。

バックアッパーという難しい立場にありながら、それでも宇佐美はチームのために持てる力のすべてを注ぐスタンスでいる。写真:徳原隆元

 キリンチャレンジカップのシリア戦(6/7)、ロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のイラク戦(6/13)に挑む6月シリーズに向け、発表された日本代表のメンバーは25人。5月28日に都内近郊でスタートした代表活動に、その25人に含まれていない選手がひとりいた。
 
 メンバー入りした乾貴士の右足首の調子が思わしくなく、実際にプレーできないと判断された時のバックアッパーとして、今回は選外となった宇佐美貴史はキャンプ初日から代表チームに合流した。
 
 宇佐美のもとに連絡があったのは、5月27日、キャンプ前日の夜だった。
 
「マジで急でした。予定がけっこう飛びましたね(笑)」
 
 追加招集ではない。"もしも"の時に備えるため、実家のある京都から駆け付けたという。難しい立場であるのは間違いない。モチベーションが上がらなくても仕方がないが、笑顔を見せる宇佐美に、そんな様子は微塵もない。
 
「それでも、来れることを光栄に思わないといけないのが、代表という場所。どういうモチベーションでいるか難しい部分はありますけど、準備を求められたのなら、それをするのが、選手としての宿命だと思うので。急に呼び出されようが、予定が飛ぼうが、ポジティブにやり続けるだけです」
 
 ヤケになっているわけでもない。かといって、肩に力が入っているわけでもない。極めて自然体で、いつも通りに取材対応をこなす。
 
「黙々と、良い準備をするための期間にしようと思っています。それのみ」
 
 自らが置かれている状況をしっかりと受け止めたうえで、宇佐美は日本代表のために全力を尽くそうとしている。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事