【日本代表】「僕みたいな経歴の選手が…」。満を持して代表入りした加藤恒平への期待感

2017年05月28日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「代表にいる選手は、人間性も素晴らしいと思いました」

27歳にして初の日本代表入りを果たした加藤。「まだスタートラインに立てただけ」と、本人に慢心はない。写真:徳原隆元

 6月シリーズに挑む日本代表が、都内近郊でキャンプをスタートさせた。初日には欧州組10人が参加。注目の初招集・加藤恒平も意欲的にトレーニングに取り組んでいた。
 
「最初は緊張したんですけど、みんな良い人たちだったので、楽しくやれました。(雰囲気は)すごく良いですね。代表にいる選手は、人間性も素晴らしいと思いました」
 
 ランニングの時は、久保裕也と並んでリラックスした表情を見せていたが、「自分は大学が立命館大で、京都のユースからもけっこう来ていたので」と、共通の知り合いを通じてコミュニケーションを深めていたようだ。
 
 改めて、今回の初招集について聞けば、「まだ戸惑っている部分はありますが、ピッチの上ではやるべきことをやって。周りに流されないように」と表情を引き締める。
 
 町田でのプレーを経て、13年に日本を飛び出し、モンテネグロ、ポーランド、ブルガリアで研鑽を積んできた。日本代表入りは目標のひとつだった。
 
「僕みたいな経歴の選手が普通に日本でやっていても、おそらく目につかないと思うので。代表に入ったら、海外の選手と試合をする。それなら海外に行って、日頃の練習や試合から、そういう選手とやっておいたほうが、代表に呼ばれた時に力になれるんじゃないかという思いがあった」
 
 いつの日か日の丸を背負ってプレーする――時間はかかったかもしれないが、満を持して、その存在がようやく認められた。
 
 もっとも、本人に慢心はない。「まだスタートラインに立てただけ。ここから呼ばれ続けることや、試合に出続けることのほうが、もっと難しい。そこを目指してやっていきたい」と言葉に力を込める。
 
 ボランチとして計算されているが、序列は一番下と見ていい。そこからいかに這い上がってくるか。27歳にして代表入りを掴んだその不屈の精神に期待したい。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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