29歳でアルゼンチン代表初招集! イタリア代表入り絶たれた小兵アタッカーが念願を叶える

2017年05月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

U-20代表ではアグエロらとともに世界制覇を経験。

今シーズンのアタランタで大ブレイクしたゴメス。ついにアルゼンチン代表入りを果たした。(C)Getty Images

 5月19日に発表されたアルゼンチン代表メンバーでもっとも話題を呼んだのが、マルロ・イカルディ(インテル)の3年半ぶりの復帰だった。サンプドリア時代に同胞の先輩マキシ・ロペスの妻を寝取ったストライカーは、ディエゴ・マラドーナをはじめ多方面から批判を浴びていただけに、チームの対応が注目を集める。
 
 その陰に埋もれた印象は否めないが、アタランタに所属する165cmの小兵アタッカー、アレハンドロ・ゴメスも29歳にして嬉しい初招集を受けている。
 
「パプ」の愛称で知られるゴメスは、2005年に母国のアルセナルでプロデビューし、2007年にはセルヒオ・アグエロ(現マンチェスター・C)、アンヘル・ディ・マリア(現パリSG)、エベル・バネガ(現インテル)、ガブリエル・メルカド(現セビージャ)らとともにU-20ワールドカップに出場。控え要員ながらアルゼンチンの世界制覇に貢献した。
 
 サン・ロレンソを経て2010年には欧州進出を果たし、カターニャで3年活躍した後、ウクライナのメタリストに旅立った。ウクライナの政情悪化の影響もあって1年で再びセリエAに出戻ると、2014年夏からはアタランタで技巧と創造性を駆使して崩しの切り札に君臨した。
 
 しかし、アルゼンチン代表からはいつまで経っても声が掛からない。ウイング/セカンドトップにはリオネル・メッシ(バルセロナ)が君臨するうえ、ディ・マリアやカルロス・テベス(上海申花)、エセキエル・ラベッシ(河北華夏)などがおり、さらにここ数年でパウロ・ディバラ(ユベントス)やアンヘル・コレア(アトレティコ・マドリー)などの新星が台頭。まさに多士済々だったからだ。
 
 そんな中でゴメスは、2016年5月にイタリア市民権を取得。本人はアルゼンチンの血縁を持たないが、5年の在住歴とウディネ出身の曾祖父を持つ夫人のおかげでイタリアのパスポートを獲得できたのだ。
 
 その当時には「今日は特別な1日だ。イタリア人になることができて本当に嬉しい。初めてイタリアに来たのが2010年。あの日から支え続けてくれた人たちに感謝したい」とコメント。EU外国籍枠から外れてアタランタを助けるという以上に、アルゼンチン代表を諦めない一方で、イタリア代表への門戸も開くという意味合いが強い二重国籍選択だった。

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