敵味方関係なく両サポーターが祝福。磐田のムサエフを中心に、超満員のスタジアムが一体感に包まれた瞬間――

2017年05月19日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

ウズベキスタン大使が同国初のJリーガーのムサエフに花束贈呈。川崎サポーターからも温かい拍手が送られる。

ウズベキスタン大使から花束を受け取ったムサエフ(8番)。明日はホームで柏と対戦。5試合ぶりのゴールなるか? 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 [J1 11節] ジュビロ磐田 0-2 川崎フロンターレ 
2017年/5月14日/ヤマハスタジアム
 
 磐田×川崎戦のキックオフ直前、ヤマハスタジアムが敵味方関係なく両チームのサポーターの"祝福"の拍手で包まれた。ウズベキスタン大使館のファルフ・イスロムジョノヴィチ・トゥルスノフ特命全権大使が来場。ウズベキスタン人初のJリーガーとなったMFムサエフへの花束贈呈が行なわれたのだ。
 
 スタジアムに「ウズベキスタン人初のJリーガー誕生。ムサエフ選手の健闘をたたえ、大使が祝福に訪れてくれました」といった内容のアナウンスがされると、会場を埋め尽くした磐田のみならず、一方のゴール裏の川崎サポーターからも盛大な拍手が起きた。

 この日のチケットはソールドアウト。まさに会場一帯が祝福ムードに包まれるなか、記念撮影に収まったふたりは、がっちりと固い握手を交わした。
 
 今季ナサフ・カルシから加入したムサエフは開幕からボランチのレギュラーに定着。中村俊輔、川辺駿と「磐田の心臓」を作り、これまで清水戦と鳥栖戦でインパクトのあるゴールを奪ってきた。来日当初はコミュニケーションに課題を抱えていたが、これまで使う機会のなかったという英語を猛勉強して、元来の明るい性格も手伝い、新たな環境にあっという間に溶け込んだ。「磐田のムサエフ」は、多くのサポーターから"期待に応えてくれる"存在となっている。
 
 明日20日の12節は、再びホームで5連勝中と好調な柏と対戦する(チケットは再び完売)。川崎戦は自身のパスミスなども目立って敗れており、今回は改めて気を引き締めて、5試合ぶりのムサエフショットをゴールネットに突き刺してもらいたい。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
 
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