トッテナムが118年使用の本拠地に別れ…最終戦セレモニーで起こった奇跡とは?

2017年05月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

52年ぶりのホーム無敗を達成したトッテナム。

マンチェスター・Uを撃破し、ホーム無敗を決めたチームのパフォーマンスを称えたトッテナム・サポーター。その熱き想いが天候をも変えたのかもしれない。 (C) Getty Images

 現地時間5月14日、トッテナム対マンチェスター・U戦(プレミアリーグ37節)が行なわれ、2-1でホームチームが勝利を手にした。
 
 6分にヴィクター・ワニャマの得点で幸先良く先手を取ったトッテナムは、48分にもハリー・ケインの得点でマンチェスター・Uを突き放す。71分にウェイン・ルーニーに1点を返されるなどマンチェスター・Uの猛追のあったものの、何とか逃げ切った。

 新本拠地建設のため、今シーズンで見納めとなるホワイト・ハート・レーンでのラストマッチを見事に白星で飾ったトッテナム。プレミアリーグでのホーム14連勝は1987-88シーズンと88-89シーズン以来、本拠地無敗(17勝2分け)は1964-65シーズン以来といずれもクラブレコードに並んだ。
 
 決勝点を決めたケインは、「素晴らしい最後だった。僕たちはここでのラストマッチを勝利で飾りたいと望んでいた。特別なゴールになったよ」と喜び、試合終了直後にピッチ上に雪崩れ込んだサポーターと共に長年親しんできたホームスタジアムに別れを告げた。
 
 そうした騒動が落ち着いたのちにスタジアムで行なわれたお別れセレモニーには、オズワルド・アルディレスをはじめグレン・ホドル、ダビド・ジノラ、テディ・シェリンガム、レドリー・キング、ディミタール・ベルバトフなど往年のクラブOBたちが顔を揃え、現役選手とスタッフ、そしてサポーターと一緒に最後の時を過ごした。
 
 そして、このセレモニーの最中には奇跡的な出来事が起こった。
 
 ピッチの中央に立っていたOBたちが、傘が吹き飛びそうなほどの横殴りの雨に苦しむ中、どこか晴れない空気感のなかでセレモニーは進行……。しかし、最後の最後に状況は一変する。
 
 イギリス人テノール歌手で、トッテナム・サポーターとして有名なウェイン・エバンスさんが、『リバブリック讃歌』を歌詞にトッテナムのチャントを交えて見事に歌い上げると、突如として空に晴れ間が覗き、スタジアムに華麗な虹が架ったのだ。
 
 1899年に開場して以来、約118年の歴史の終幕を祝うかのような光景が広がるなかで終わったセレモニー後、現トッテナム指揮官のマウリシオ・ポチェティーノは、「とてもエモーショナルなセレモニーで、説明するのは難しい」と感慨深げにコメントした。
 
「クラブの歴史を分かち合う瞬間に立ち会えたことは光栄なことだ。私はすべての選手、スタッフ、そしてサポーターに『ありがとう』と言いたい」
 
 なお、現地時間5月15日からホワイト・ハート・レーンの解体作業が始まるため、トッテナムは同じ場所に建設される新スタジアムが完成するまで、ウェンブリー・スタジアムでホーム戦を行なう。早くて来夏には新本拠地がオープンする見込みだ。
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