【仙台】2年目の椎橋がプロ初得点! 市船の大先輩からのある言葉を忘れ「たぶんシメられます(笑)」

2017年04月27日 小林健志

周到な準備をして臨んだルヴァン杯・清水戦。

プロ初ゴールをマークした椎橋(中央)。丸1年をリハビリに費やし、ようやくピッチに戻ってきた。(C) J.LEAGUE PHOTOS

[ルヴァン杯]仙台 3-1 清水/4月26日/ユアスタ

 リーグでは前節、広島相手に勝利を掴みかけたが、終了間際に同点に追いつかれ、4試合勝利がない仙台。しかし広島戦は0-2から一度は3-2と逆転するなど、チーム状況に光明も見えた試合でもあった。
 
 そうしたなかで迎えた26日のYBCルヴァンカップの清水戦。31分、カウンターで清水FWのチアゴ・アウベスにゴールを許したが、後半開始早々46分に三田啓貴のゴールで同点。そして逆転ゴールを決めたのはまたしても公式戦初先発の若手選手だった。
 
 68分、仙台は敵陣深くの左サイドでFKのチャンスを得ると、三田のファーサイドへのクロスからヘディングシュートを決めたのは市立船橋高出身2年目のMF椎橋慧也。公式戦初先発初ゴールは貴重な逆転ゴールとなった。83分には先日ルヴァンカップ磐田戦でやはり公式戦初先発初ゴールを決めたMF佐々木匠のスルーパスからFWクリスランがゴールを決めて勝負あり。3-1で逆転勝利を挙げた。
 
 本来はボランチの椎橋だが、この日は3バックの右サイドでの先発出場だった。
 
「元々ボランチの選手ですから、ビルドアップの部分で大きな期待をしていました。実際紅白戦でもああいうくさびのパスは何本も通していて、そこをしっかりと見ることができて、タイミングが良いのは彼のストロングだと思います。そこを今日は存分に発揮してくれました」
 渡邉晋監督がこのように高評価を下した通り、前線へ何度も正確なくさびのパスを供給し、攻撃のリズムを作っていた。
 
 椎橋はこの試合のため、周到な準備をしていた。
 
「前線のタクさん(野沢)や(梁)勇基さんや(西村)拓真君と事前にどういう時に欲しいとか、相手がどうだからここにつけてほしい、ということをよく話したので、落ち着いて前線を見られたかなと思います」
 
 くさびのパスの受け手となる選手と事前にしっかり話し合い、受けやすいパスを出すことに成功した。さらに守備の選手とも密にコミュニケーションを取り合った。
「相手の外国人選手の一人が速くて左利きでした。蜂須賀さんと大岩さんと絶え間なくしゃべって対応するしかないと思ってやって、抜け目なくやれたと思います」
 
 渡邉監督は「前半の1シーン2シーン、守備で相手に入れ替わられそうな場面もありましたが、初めてJリーグの外国人選手と対戦して肌感覚で掴めたものもあり、次につながると思います」と守備でも課題は挙げたが、まずまずの評価だった。それでも椎橋は「スピードのある選手にどう対応するかとか、逆サイドを見ての配球や、前線の選手への配球を日々の練習で突き詰めたい」とリーグ戦での出場も見据え、反省を忘れなかった。
 

次ページ市立船橋高のキャプテンとしてチームを牽引した男の姿。

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