【松本|担当記者コラム】実体験! なるほど、ソリさんはこうして選手の“やる気スイッチ”を押しているのかも

2017年04月26日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「頑張ってくれよなぁ」

久しぶりに山雅の練習を取材。相変わらず、反町監督は大きな声を出して、細かい指示を送っていた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 サッカーダイジェスト本誌の恒例企画『クラブダイジェスト』の取材で、今季初めて松本を訪れた。
 
 選手へのインタビューを終えて部屋を出ると、すぐ側で反町監督が囲み取材を受けている。後で挨拶しようと思っていたら、広報の方から「どうぞ、どうぞ」と許しを得て、記者たちの輪の中に入れてもらえた。
 
「すみません、今回は監督のインタビュー、ないんです。でも、違う形で監督の魅力を伝えようと思っています」
 
 言い訳がましく言う記者に対し、反町監督は「どっちでもいいよ」という感じで笑顔を見せる。そしてすぐさま、「ダイジェスト、今は月刊だっけ?」と聞いてくる。
 
 いえ、月2回発行していますと答えると、指揮官は少し視線を外して、こう言った。
 
「頑張ってくれよなぁ」
 
 我々、メディアに対して、"頑張れ"と言ってくれる現場の人間はそういない。記者個人の経験では、ほぼいないと記憶する。
 
 取材中に割り込んできた記者に気遣いを見せた反町監督は、さらに続ける。
 
「サッカーダイジェストWeb、見てるぞ。時間になると通知が来るように、携帯は設定してあるからな」
 
 有難い言葉に、身が引き締まる。その思いやりある人柄に触れながら、なるほど、こうして選手たちをやる気にさせているのだなと、戦術家でありながら、モチベーターとしても定評ある反町監督の手腕を垣間見た気がした。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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