大ブーイングに両親への“襲撃”…ミランの生え抜きDF、ファンに失望してユーベ移籍も?

2017年04月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

ファンはユーベ移籍の噂にフラストレーションを溜める。

デ・シリオ(左)は慣れ親しんだ「赤黒」から「白黒」に着替えるのか? 写真:Alberto LINGRIA

 現地時間4月23日のエンポリ戦(セリエA33節)に1-2と敗れたミラン。71分に交代した際、本拠地サン・シーロの観客から大ブーイングを浴びせられたイタリア代表DFのマッティア・デ・シリオは、帰宅する際にサポーターとトラブルになっていたようだ。去就への影響が注目される。
 
 40分に失点したミランは、60分のPKのチャンスをスソが失敗すると、67分に追加点を奪われる。72分にジャンルカ・ラパドゥーラのゴールで1点を返したが、追いつくには至らなかった。
 
 ヨーロッパリーグ(EL)出場権を競う7位インテルが前日の試合で敗れたため、ミランは勝てば5ポイント差に広げるチャンスだったが、5試合ぶりとなる黒星でその好機を逸した形だ。それだけにサポーターの落胆は大きい。
 
 そして怒りの矛先を向けられたひとりが、キャプテンマークを巻きながら精彩を欠くパフォーマンスに終始して途中交代したデ・シリオだ。
 
 イタリア各メディアは試合後、デ・シリオがスタジアムを後にする際、ファンに車を取り囲まれて口論になったと報じた。24日付のイタリア紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』が、その様子を伝えている。
 
 同紙によると、まずひとりのミラン・サポーターがデ・シリオと両親を乗せた車に罵声を浴びせ、母親が座る席の窓を叩いた。父親が降車してなだめようとしたが、ティフォージの怒りは収まらず。逆に、同じく車を降りた母親を突き飛ばし、ビール瓶を車輪に投げつけたという。
 
 この事態にデ・シリオも車を降り、"応戦"しようとサポーターに向かっていこうとしたが、周囲に止められたようだ。ただ、父親が相手と喧嘩になったため、警察が一家を乗車させて警護。そのティフォージは当局に拘束されたが、他のファンがデ・シリオの車に罵声を浴びせ続けたそうだ。
 
 これが事実であれば、サポーターの行為は許されるものではない。だが、なぜミラニスタはそれほどまでにデ・シリオに怒りをぶつけるのか。それは2018年6月で現行契約が満了するデ・シリオに、宿敵であるユベントスへの移籍の噂が絶えないからだ。ユーベのマッシミリアーノ・アッレグリ監督はトップチーム・デビュー時の指揮官である。
 
 近年のミランの低迷に加え、自身を抜擢した指揮官と再会できるとあり、デ・シリオはユーベ移籍に傾いている――。そんな報道が繰り返され、さらにはデ・シリオ自身のパフォーマンスも今ひとつとあり、一部サポーターからの風当たりが厳しくなっているのだ。
 
 中国資本のミラン新経営陣は、守護神ジャンルイジ・ドンナルンマやスソとともに、デ・シリオとも契約を延長する方針の様子。だが、選手本人が退団を決意ならば、契約が残り1年となったデ・シリオをできるだけ高額で売却するとも言われている。今回の一件はその決定打になっても不思議はない。
 
 一時はパオロ・マルディーニの後継者とも期待された生え抜きのデ・シリオは、ユース時代から過ごしたミランを飛び出し、6連覇に迫る王者へと向かうのだろうか。
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