【柏】身長差32センチ…155センチの中川が横浜の屈強な壁を破れた理由

2017年04月22日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「どんな選手が来ても、平常心でやること」。

秀逸な動きで横浜の脅威となり、今季初得点を決めた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1・8節]柏2-0横浜/4月22日(土)/柏

 27分、柏の中川寛斗が、右サイドからのクロスの落としを滑り込みながら右足で合わせてゴールネットを揺らす。
 
 貴重な追加点をもたらし、チームを今季ホーム初勝利に導いたのは、身長155センチと現役Jリーガーのなかで最も小柄な選手だった。
 
 対戦した横浜には中澤佑二とミロシュ・デゲネクという、いずれも187センチの長身CBが居並ぶ。中川との身長差は、実に32センチだ。それでもJ最小兵FWはまったく動じなかった。
 
「どんな選手が来ても、平常心でやること。相手DFを上手く釣ったり、剥がしたり、スペースを作ったり、ということはいつも意識しています」
 
 対面するDFがいくら大きな選手でも、やることは変わらない。なぜなら、相手に合わせる必要がないくらいに、〝最小″ということが、すでに唯一無二の「武器」となっているからだ。
 
 戦術理解度の高い中川にとっては、むしろ小回りの利く身体は有利に働く。
 
 横浜戦でも、相手の視界から消える抜け出しや、狭いスペースに入り込んで味方の進路を作る動きで、横浜の守備陣を混乱に陥れた。

 この日のゴールが今季初得点となった中川は試合後、以下のように語る。

「嬉しいですけど、僕のゴールよりもチームが勝てたこと、そしてこのホームで勝てたことが一番大きい」

 積極的に組み立てに参加しながらも、時には相手を釣り出して味方のプレースペースを生み出し、さらにはフィニッシュまでこなす――チームの勝利を第一に優先する、献身的で気の利いた動きは、いまや柏に欠かせない。
 
 小さい身体で大きな存在感を放つ中川の働きは一見の価値ありだ。

取材・文:多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

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