CLでの誤審騒動も影響? セリエA、来シーズンからビデオ判定導入へ

2017年04月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

日程の余裕がないためコッパ・イタリア決勝でのVAR採用は回避

イタリア人のアンチェロッティがVAR賛成派に回ったから、というわけではもちろんないが、保守的なことで知られるイタリアが今回は真っ先に動くこととなった。写真はCLマドリー対バイエルン戦・第2レグの後。 (C) Getty Images

 試合の行方を左右する微妙な判定を何時間も議論する――。イタリアのテレビ番組で見かけるそんな光景も、来シーズンから減っていくのかもしれない。
 
 イタリア審判協会のマルチェッロ・ニッキ会長は現地時間4月21日、来シーズンのセリエAで「ビデオアシスタントレフェリー(VAR)」を導入すると発表した。国際サッカー評議会の承認を得ることができれば、8月の開幕戦からビデオ判定を開始する。
 
 セリエAではすでに今シーズンから、VARが試験導入されている。まだ主審とビデオルームを繋いではいないが、正式採用に向けての準備を進めてきた。ニッキ会長は、当初予定されていた2018-19シーズンではなく、1年前倒しての正式導入に踏み切ると明かした。
 
 サッカー界ではつい先日、チャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝・第2レグのレアル・マドリー対バイエルン戦で誤審が騒がれたばかりだ。
 
 延長戦の末にマドリーがバイエルンを沈めたこの試合では、勝敗を決定付けた延長戦でのクリスチアーノ・ロナウドの2ゴールがオフサイドだったことが、映像で明らかに。後半のアルトゥーロ・ビダルに対する退場の判定も微妙なものだったことで、試合後に大きな議論を呼んだ。
 
 バイエルン陣営は怒りを露にし、カルロ・アンチェロッティ監督は試合後、「これまではビデオ判定導入に反対だったが、今では絶対に必要だと考える。CL準々決勝のような重要な舞台で、審判が試合を決めてしまうようなことがあってはならない」と、VAR賛成派への転向を明かしている。
 
 世界中で大騒動となったCLでの誤審問題が後押しになったわけではないだろうが、イタリアは他の欧州主要リーグに先駆けて、リーグ戦でVARを導入することになった。
 
 なお、ニッキ会長によると、ファイナリストのラツィオが要請していたコッパ・イタリア決勝でのVAR採用はないとのことだ。
 
 ラツィオと対戦するユベントスがCL決勝に勝ち進んだ場合、コッパ・イタリア決勝は5月17日開催に前倒しとなる。イタリア『スカイ・スポーツ』などによると、日程の余裕がないなか、決勝という大舞台でいきなりVARを正式導入するというリスクを回避したようだ。
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