ラストワンプレーで勝利がすり抜けた川崎… 主役は2万ゴール金子でも逆転弾の憲剛でもなく

2017年04月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

小林からの折り返しに右足ダイレクトで突き刺す。

73分に逆転弾を突き刺した中村。さすがの役者ぶりを見せた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ8節]川崎 2-2 清水/4月21日/等々力

 清水が劇的な同点ゴールで追いつき、2-2の引き分けに終わった。

【川崎 2-2 清水 PHOTO】最後のワンプレーで清水が劇的な同点ゴール。川崎は勝ちを逃す

 試合は立ち上がり、ポゼッションで上回る川崎に対し、守備の出足が鋭い清水がショートカウンターを狙う展開となった。そして、まず狙いがハマったのは清水だった。

 14分、パスカットからそのままドリブルで持ち上がった鎌田翔雅が右サイドへ展開。パスを受けた鄭大世はすぐさまアーリークロスをゴール前に入れると、ファーサイドまで流れたボールを金子翔太が左足で押し込んだ。清水が21歳の金子の今季2得点目で先制。そしてこれが、記念すべきJ1リーグ通算2万得点目となった。

 メモリアルゴールを許す形となった川崎だが、これ以降は攻勢を強め、前半途中のボール支配率は79パーセントまで上昇。しかし、多彩なボール回しからチャンスこそ作るものの、フィニッシュに決め手を欠き、前半は無得点。清水の1点リードでハーフタイムに入った。

 後半に入っても川崎の流れは継続。立ち上がりからハーフコートマッチの様相を呈し、川崎が清水を自陣に押し込んでいく。そして62分、川崎は三好康児からのクロスを阿部浩之が左足ボレーで叩き込み、豪快にゴールネットを揺らす。川崎が試合を振り出しに戻した。

 その後清水も松原后がペナルティエリア内に切れ込み惜しいシュートを放つが、攻撃は単発気味。逆に緩急をつけたパス回しを見せる川崎がじわじわと清水を自陣に追い込むと、73分だった。右サイドからのクロスを受けた小林悠はシュートを打ち切れなかったものの、粘り強くペナルティエリア内で起点を作り、反転から中央へ折り返す。これをノーマークだった中村憲剛が右足で蹴り込み、ゴールネットを揺らした。川崎がついに逆転に成功する。

 78分、清水は2万ゴールを決めた金子に代えて、チアゴ・アウベスを投入して勝負に出る。

 試合は川崎1点リードで最終盤に突入。このまま川崎が逃げ切るかに思われたが、ラストワンプレーでドラマが生まれた。清水は、交代出場のT・アウベスが右サイドからひとりで持ち込み、左足で強烈なシュートを放つ。これがGKチョン・ソンリョンの手をすり抜け、ゴールネットを揺らす。直後、試合終了を告げるホイッスル。清水が土壇場で2-2の同点に追いつき、試合は引き分けで終了した。

 同点ゴールのT・アウベスは「諦めなかった。最後の最後で決めることができて良かった。これからもたくさん点を取っていきたい」と、移籍後初ゴールの喜びを表現した。 
 
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