「途方もない時間を待った」ブライトンの34年ぶり英1部昇格の背景に8年前の改革

2017年04月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

「我々はまだ道半ば」と熱烈ファンの市議会議員も歓喜。

試合後にピッチ上のファンを背景にセルフィーを撮るアントニー・ノックハートは、シーズン15ゴールを記録した昇格の立役者だ。 (C) Getty Images

 現地時間4月17日、イングランドのチャンピオンシップ(2部)43節で、ブライトンがウィガンを2-1で退けた。
 
 この試合後に3位のハッダーズフィールドがダービーと引き分けたため、ブライトンは自動昇格圏内の2位以内が決定。1982-83シーズン以来34年ぶり、1992年のプレミアリーグ創設後では初めてとなる1部昇格の切符を手にした。
 
 ホームで行なわれたウィガン戦終了直後には、昇格が濃厚となったことでスタンドにいたサポーターがピッチ内になだれ込み、選手やスタッフたちと共に栄えある瞬間を分かち合った。
 
 1983年の降格以降、1997-98シーズンに4部リーグで23位に沈むなど泥沼の時代を歩んできたブライトン。しかし、8年前にスポーツベッティングと不動産業で財を成し、プロポーカープレーヤーでもあるトニー・ブルーム氏が新会長に就任。これが転機となる。
 
 同新会長が250万ポンド(約3億5000万円)を投じ、最新設備の整ったトレーニングセンターを建設するなど、先を見据えたクラブ改革を施すと、2010-11シーズンにチャンピオンシップに昇格。12-13シーズン、13-14シーズン、15-16シーズンにはプレーオフに進出し、1部昇格寸前のところまでこぎつけた。
 
 迎えた今シーズンは、元ノーリッジ指揮官のクリス・ヒュートンの下でニューカッスルと優勝争いを展開。41節に首位の座を奪還すると、2連勝で昇格を決めた。
 
 2014年12月から指揮を執るヒュートンは、「これは素晴らしい成果と言える。私以上に喜んでいる人もいるだろう。それはもちろんトニー・ブルームだ。彼は地元出身で、このクラブに多く資金を投じてきたらからね」と歴史的な昇格について語った。
 
 そのブルーム会長は、指揮官の予想通りに愛するクラブの昇格について、「本当に信じられない。我々はこの瞬間のために途方もない時間を待った」と、感慨深げにコメントしている。
 
 また、ブライトン市の市議会議員であるウォーレン・モーガン氏は、「ホッとしたし、元気づけられた。83年の降格から本当に長い道のりだったからね」と安堵した様子。さらにブライトン・ファンであることを公言する同氏は、スタッフの成果を称えつつ、1部での戦いに前向きなコメントを寄せている。
 
「トニー・ブルームとクリス・ヒュートンの業績を称えて、市として何かを与えたい。評議会のリーダーとして言わせてもらえば、この昇格で市には数億円もの経済効果が見込めるんだからね。
 
 でも、一生涯のファンである立場から言わせてもらえば、重要なのは今後だよ。プレミアリーグで上位に上がっていってもらいたいね。チェルシー、リバプール、トッテナム、マンチェスター・ユナイテッド…強い相手ばかりだけど、我々はまだ道半ばだ」
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