【川崎】一歩一歩、成長し続ける奈良竜樹。古巣・札幌との初対戦を終え、さらなる飛躍を誓う

2017年04月18日 本田健介(サッカーダイジェスト)

怪我に泣いた悔しい1年を経て――。

古巣との初の対戦に臨んだ奈良。試合後には札幌サポーターへ感謝の想いを伝えた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ7節]札幌 1-1 川崎/4月16日/札幌ド
 
 Jリーグ・7節、札幌とのゲームに特別な感情を抱えて臨んだ選手がいた。それは、古巣との初対戦を迎えた北海道出身の奈良竜樹だ。
 
「ユースを含めて6年間、お世話になったチームなので、感謝の気持ちを持って臨みました。勝って恩返しをしたかったので、結果は残念です。でも名前を呼ばれた時は本当に嬉しかったです」
 
 試合後、札幌サポーターのもとへ走り、頭を下げた姿は印象的だった。
 
 奈良といえばここ数年、紆余曲折の道を歩んできた。2015年には札幌からFC東京へ移籍するも出場機会を掴めず、翌年には川崎へと移った。その川崎では風間八宏監督に実力を認められ、レギュラーに抜擢されたが、5月に脛を骨折。全治約4か月の離脱を強いられ、掴みかけていたリオ五輪出場の夢は潰えた。さらに同年の秋には戦列に戻った直後に同じ箇所を痛めて再びリハビリ生活へ。不完全燃焼でシーズンを終えた。
 
 ただ、完全復活を期す今季はまずまずのパフォーマンスを見せている。序盤こそクローザーとしての役割を担ったが、ACL第2戦のイースタンSC戦では先発出場を果たした。この試合では、やや可哀そうな判定で前半早々に一発退場を命じられたが、その後はCBの一角として最終ラインを牽引。6節の甲府戦ではCKから2012年以来のゴールも奪って見せた。一歩ずつ確実に前進しているのは間違いない。
 
「去年はあまりサッカーができず、今は試合をこなしていくなかでコンディションを上げていかなくてはいけません。やることはたくさんあります。そのなかで責任のあるプレーをして、成長していきたいです」
 
 常に相手に戦いを挑むファイターは、上昇志向の塊である。自らの記憶に深く刻まれたであろう札幌戦を経て、さらに飛躍してくれることに期待したい。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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