「改革者」、「天才」ミラン売却のベルルスコーニに続々と賛辞の声

2017年04月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「イタリア・サッカーの新たな時代を始めた」(カペッロ)

カペッロ(上段右)やサッキ(上段左)。さらにはマルディーニ(下段左)やバレージ(下段右)といったミランで歴戦を戦ってきたOBたちがクラブを去るベルルスコーニへコメントを寄せた。 (C) Getty Images

 ミランは現地時間4月13日、クラブ売却を正式決定した。中国資本による買収が実現し、1986年からミランを率いてきたシルビオ・ベルルスコーニの31年に渡る歴史に幕が下ろされた。
 
 スクデット獲得8回、チャンピオンズ・リーグ(チャンピオンズ・カップ時代を含む)優勝5回を筆頭に、計29のタイトルを手にしてきたベルルスコーニが、右腕のアドリアーノ・ガッリアーニ副会長とともにミランを去る――。近年は混迷を招いたと批判を浴びてきたが、イタリアのみならず、世界のサッカー界における彼の功績が偉大であることに疑いはない。
 
 ベルルスコーニの下で「栄光のミラン」を築いてきたOBたち、そして現チームの主力は買収決定を受けて次々と賛辞のコメントを残している。
 
――◆―――◆――
 
ファビオ・カペッロ(1987、1991-96、1997-98監督)
「ベルルスコーニはイタリア・サッカーの新たな時代を始めた。夢想家だからこそ、簡単ではない目標をすべて叶えられた。私は彼に恩がある」
 
アッリーゴ・サッキ(1987-91、1996-97監督)
「私の人生の一部がなくなった。とても心が痛む。我々はミランに多くの恩がある。世界のサッカー界に消すことのできない軌跡を残したクラブだ。我々がただの勝利以上に認められたのは、ベルルスコーニが勝利だけでなく、美しいプレーで勝つことを望んだからだ」

「私を評価してくれたベルルスコーニにはずっと感謝する。(下部リーグでしか実績のなかった)私にミランを任せようなど、天才か狂人にしかできなかったことだ。ベルルスコーニやガッリアーニにはもう一度感謝したい。少し残念だし、これからは少しミランが自分のものではないと感じるようになるが、今後もミランを応援し続ける」
 
フランコ・バレージ(1977-97に在籍。元主将)
「ベルルスコーニは美しさや振る舞いなど多くに気を配っていた。偉大な選手たちを連れてきて、監督や選手たちを鼓舞した。勝利だけでなく、ファンを楽しませることを望んだ。サッカーが変わったから、ベルルスコーニも悲しみながら正しい評価をしたのだろう。彼はミランのために手放したんだ」
 
「簡単ではなかっただろう。だが、正しい意欲と情熱があれば、イタリアと欧州でミランを再び強くできるはずだ。ミラネッロ(ミランの練習場)でベルルスコーニと会ったときの感動をまだ覚えている。初めてスクデットを獲得したときの彼の嬉しそうな顔を覚えている」
 
マウロ・タッソッティ(1980-96に在籍、1997-14にユース監督やトップチーム助監督などを歴任)
「ミランを高みに戻すには数年を要するだろう。新経営陣の能力や補強のための資金力にもよる。ベルルスコーニは類まれなる改革者だった。我々のサッカーを改革したんだ。クラブの売却は残念に思う。ミランで最も重要な歴史が終わった。だが、確実なことがなくなっていたから、チームは新たな状況を活かせる」
 

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