爆発事件の裏で…ドルトムントとモナコのファン同士が心温まる交流

2017年04月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

『#bedforawayfans』のハッシュタグ付きで、救いの手を差し伸べる。

爆発事件という一大事で不安にかられるなか、快い対応を見せたホーム・サポーター。その素晴らしい行動に賛辞を贈りたい。 (C) Getty Images

 現地時間4月11日に行なわれる予定だったチャンピオンズ・リーグ準々決勝の第1レグのドルトムント対モナコ戦は、試合前の急事によって開催が延期された。
 
 試合開始直前に本拠地ジグナル・イドゥナ・パルクに向かっていたドルトムントのチームバスが、爆発に巻き込まれたのだ。死者を出す最悪の事態には至らなかったが、割れたガラスの破片が手首に刺さったDFマルク・バルトラが緊急出術を受けるなど、小さくない影響が出た。
 
 そんな衝撃的な事件の裏で、ホーム・サポーターの粋な行動が称賛を浴びている。
 
 試合開始15分前に翌日18時45分(日本時間13日の1時45分)にキックオフが延期されることを知ったホーム・サポーターは事態を把握し、スタジアムから撤収して家路を急いだ。困ったのはアウェー・サポーターだ。
 
 日帰り予定だった、もしくは財布に余裕がなく路上で夜明かしを覚悟するモナコ・サポーターでスタジアム周辺で大量発生。そうした路頭に迷うサッカー仲間に救いの手を差し伸べたのが、ドルトムントのサポーターだった。ツイッター上で『#bedforawayfans』のハッシュタグをつけて、自宅を宿として使ってほしいと募集をかけたのだ。

「気軽に連絡してくれ。スタジアムから40キロくらいのところに住んでるよ」

「今夜、もしくは明日、#bedforawayfansが必要だったら連絡して。フランス語を少し話せるよ」
 
 自軍ファンの行動を知ったドルトムントもクラブ公式ツイッターで、「モナコのサポーターへ。ドルトムントで泊まるところが必要な場合は、チェックしてみて」と、拡散に協力している。
 
 実際に拡散の効果があり、ツイッター上にはドルトムントとモナコのサポーターが「みんな空腹」と同じテーブルを囲み、ソーセージやビールを楽しむ姿のツイートが見られた。
 
 爆発事件という悲惨な出来事の裏で起こった心温まるサポーター同士の繋がりは、サッカーが単なる球技でないことを象徴する出来事となった。
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