【磐田│プレー分析】「空白の10分」中村俊輔が輝くのはやはりトップ下?

2017年04月08日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

前後半ともに、ファーストタッチまで約10分かかったが——。

中村対齊藤の10番対決も実現。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1・7節]横浜F・マリノス 2-1 ジュビロ磐田
2017年4月7日/日産スタジアム
 
 古巣・横浜との初対決となったMF中村俊輔はフル出場を果たし、CKから大井のゴールを演出した。しかし流れの中から崩すシーンは限られ、試合も1-2で敗れた。
 
 中村は右MFで先発し、トップ下の松浦拓弥と頻繁にポジションチェンジを繰り返して攻撃のリズムを作った。ただ、前節の清水戦ではハマったものの、今回の横浜戦では中村俊の右MF起用のプラスとマイナスが浮き彫りになった。
 
 まず、中村が最初にボールを触るまで、実に9分51秒かかった。しっかりと守備から試合に入るという磐田の狙いだが、横浜にボールを回されて、ボールを奪えたとしてもなかなか前線までつなげられず苦戦した。
 
 ただ、流石だった。中村はそのファーストプレーでスルーパスを放ち、いきなりCKのチャンスを掴んだ。そしてその後、15分過ぎから23分まで、松浦とポジションチェンジを代えて、トップ下でプレー。川辺駿や松浦とのパス交換からリズムを作り出した。ボールが収まると、必ず次につながる"なにか"を見せたのが、磐田の10番だった。
 
 32分からは、ムサエフとのパス交換が噛み合い出す。そういった流れから、34分、中村が放った左のCKから大井の左足ボレー弾が決まった。
 
 後半も、中村がファーストプレーをしたのは(混戦での守備に加わったこともあったが)、55分。またも、10分かかった。

 アダイウトンが交代出場したあと、中村も中央にポジションを取り出し、再び磐田の攻撃も機能し出した。特に中村-アダイウトンの大きなサイドチェンジからチャンスが生まれた(決定機にはつながらなかったが……)。
 
 パス交換が多かったのは、川辺と松浦。川辺から最もパスを受け、ムサエフ、アダイウトンらへの展開も目立った。ただし、CFの川又堅碁への縦の展開がほとんどなかった点も課題に挙げられるだろう。
 
 サックスブルーの中村が右から中央にポジションを取った時に、試合は動いた。ただし、右に張り出していた間は、今回はあまり攻撃に関われなかった。「右サイドにいたからこそ、トップ下にポジションを移した時に脅威を与えた」とも言える一方、「やはりトップ下でこそ輝く」とも捉えられる内容だった。
 

次ページ中村が試合後に語った"手応え"と"反省点"。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事