長期契約を正式発表! ユーベが認めた19歳の司令塔ベンタンクールとは何者か!?

2017年04月22日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

参戦見込みのU-20ワールドカップで日本と対戦。

今夏のユベントス移籍が決まったボカの至宝ベンタンクール。初挑戦の欧州で、いかなる活躍を見せるのか。(C)Getty Images

 今冬の移籍マーケットでアタランタの22歳の逸材CBマッティア・カルダーラと契約し(加入は2018年夏)、さらにセリエBのアスコリでプレーするイタリアU-20代表のFWリッカルド・オルソリーニとサイン(夏まではレンタルでアスコリに)。数年後を見据えて若手の確保に余念がないユベントスが成就させた次なるオペレーションが、ボカ・ジュニオルスの19歳のMFロドリゴ・ベンタンクールの獲得だ。

 ミランやレアル・マドリーなども熱視線を注ぐなか、2015年7月にカルロス・テベス(現・上海緑地申花)をボカに売却した際に手にした獲得優先権を行使。現地時間4月22日に、950万ユーロ(約11億円)の移籍金で、2022年6月30日までの5年契約を正式に発表した。なお、加入は今年7月からとなる。

 若い頃から将来を嘱望されてきたウルグアイ出身のベンタンクールは、司令塔タイプのセントラルMF。長短の正確なパスで攻撃にリズムを刻み、機を見てみずからドリブルで攻め上がったり、走り込んでチャンスに絡んだりと破格のサッカーセンスを備えるうえ、長いリーチと鋭い読みを駆使したボール奪取にも定評がある。中盤全域に対応するマルチな能力も魅力だ。

 その高い万能性に、ボカのギジェルモ・バロスケロット監督は「第二のポール・ポグバ」と激賞。ただ実際には、ポグバよりも司令塔寄りで、"フェルナンド・レドンド2世"との呼び声もある。一方で本人は「ファン・ロマン・リケルメほど攻撃的ではなく、フェルナンド・ガゴに近い」と自身のプレースタイルを分析する。

 ユース時代からプレーするボカでは、15年4月10日のコパ・リベルタドーレス、モンテビデオ・ワンダラーズ戦で17歳にしてトップデビュー。その2日後のヌエバ・チカゴ戦で国内リーグ・デビューを飾り、徐々に出場機会を増やすと、16年シーズンにレギュラーに定着。そして迎えた16-17シーズンは、主力のひとりとして中盤を支えてきた。

 ナショナルチームでは、今年1~2月にエクアドルで行なわれたU-20南米選手権にウルグアイU-20代表の一員として出場。主力としてチームを牽引し、優勝に大きく貢献した。5~6月に韓国で開催されるU-20ワールドカップにも参戦見込みで、グループステージで日本、イタリア、南アフリカと対戦する。

 新天地となるユベントスの中盤には、現在ミラレム・ピャニッチやクラウディオ・マルキージオ、サミ・ケディラをはじめ実力者が揃う。フランス代表に名を連ねるコランタン・トリソ(リヨン)の加入が現実味を増してもいるだけに、入団1年目から十分な出場機会を確保するのは容易ではない。19歳で主力へと定着したポグバの例があるとはいえ、少なくとも来シーズンは、他クラブに武者修行に出て研鑽を積むのが妥当な選択だろう。

 いずれにせよ、ユーベ首脳陣が認めたポテンシャルに疑いの余地はない。そう遠くない将来に、かつてのアンドレア・ピルロやポグバのように、ベンタンクールがチームの心臓として躍動する姿が見られるかもしれない。
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