連勝ストップも「上位に行ける」と強気の発言。神戸のネルシーニョ監督が上機嫌だったワケとは?

2017年04月02日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「ファイティングスピリットを見せてくれたことに希望の光を感じる」

浦和に敗れた神戸だが、ネルシーニョ監督はポジティブな見解を示した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ5節]神戸1-3浦和/4月1日/ノエスタ

「ヴィッセルはもっと上位に行けるチームであると私は今日また思いました」

 これは試合後、ネルシーニョ監督が語ったコメントの一部である。3失点した内容への課題を延々と指摘するかと思いきや、指揮官はポジティブな主旨で会見を締めくくったのだ。

 確かに、スコアだけを見れば神戸の"完敗"だろう。しかし、決して戦えていなかったわけではない。実際、この試合のスタッツにはほぼ互角の数字が並び(シュート数/9:9、GK/4:6、CK/4:5、FK/18:18)、手元で集計した決定機の数(3:4)も大きな開きはなかった。

 唯一、ボールポゼッション率では浦和に圧倒されていたが、それは「崩されないように守ってカウンターという内容」(ネルシーニョ監督)を志向したゆえの結果。意図した戦いを体現できていたのは、選手たちの言葉からも明らかだ。

「相手にとって怖いカウンターがいくつかできたんじゃないかと思う」(渡部博文)

「守備はある程度思い通りにやれていた時間帯は多かったんじゃないかなと思います。剥がされて危ないシーンと言うのもなかったのかなと」(藤田直之)

 もちろん、フィニッシュの局面やパスの精度、それに、カウンターの質にしろ、改善すべき課題は少なからずある。それでも「下を向く必要はない」とポジティブに捉えられているのは、前述した狙い通りの戦いができた事実に加え、浦和を追い詰められた実感があったからではなかったか。

 その最たる場面が、2点ビハインド後の展開だろう。1失点後、すぐにCKから2失点目を喫し「ガクッと来てしまった」(渡部)というが、81分に途中出場の中坂勇哉が奪った1点でガラッとムードは変わった。

 結果的に、ミスから3失点目を献上してしまったのはいただけないが、最後まで勝負を諦めず、相手を慌てさせる場面を作り出した選手たちを、ネルシーニョ監督はこう称えた。

「敗戦は正直悔しいけれども、そこよりもチームが戦う姿勢を失わず、ファイティングスピリットを見せてくれたことに希望の光を感じます」

 連勝は「4」で止まったが、かろうじて首位の座は死守した。(鹿島と勝点で並ぶも、総得点で上回る)。この敗戦を無駄にしないためにも、ここからまた進撃への一歩を踏み出したい。

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取材・文:橋本 啓(サッカーダイジェスト編集部)
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