ダービーで1アシストと好調持続の香川! 代表戦の疲労をカバーしたものは!?

2017年04月02日 山口裕平

「後半はよりスペースが空いてくるんじゃないかと思っていた」

シャルケ戦でも結果を残した香川。代表戦後の練習でキレのある動きを見せてトゥヘル監督を驚かせた香川。現在は心身ともに充実しているようだ。写真は、先制後に得点者のオーバメヤンと。 (C) Getty Images

「いやもう……勝てた試合だったのかなと思いますし、そういう気持ちがチームにもあるので、すごく悔しいですね」
 
 これは、シャルケとの「レヴィア・ダービー」を1-1で引き分けた香川とドルトムントの率直な気持ちだろう。

 
 後半にオーバメヤンのゴールで先制し、その後も決定機を作りながら追加点を奪えず、終盤に追いつかれての勝点1……。ドルトムントにとっては、非常に悔しい結果となった。
 
 3-4-2-1の右トップ下で先発出場した香川は、87分までプレーして1アシストを記録。それ以外にもふたつの決定機を演出し、得意とするダービーで存在感を示してみせた。
 
 UAE戦、タイ戦と2試合に先発した代表ウィーク直後に迎えた重要な一戦。「時差ボケも身体の重さもあるが、それはもう、どうしようもないこと」と語ったように、フィジカル面は完全ではなかった。
 
 しかし、「それは別に、今に始まったことではないので、そういうことよりは、しっかりと試合に入れるように精神状態であったり、そういうことに気持ちを切り替えることが大事かなと思っていた」と、メンタル面でしっかりと準備をしてこの試合に臨んだ。
 
 前半は両チームともに慎重な戦いを展開し、香川のボールタッチ数はチーム9位の20回に止まった。ただ、彼の目は虎視眈々とチャンスを窺っていた。
 
「ボールを貰えない時間帯もありましたけど、ボールが入った時にはしっかり効果的なプレーをしていこうと」
 
「動く量は控えめと言ったら変ですけど、スペースが結構空いていたので、シンプルにポジションを取りながら、DFラインからうまく(パスを)引き出せたらチャンスになるなと思っていました」
 
「前半はなかなか(ボールを受ける回数が)少なかったですけど、効果的なプレーはできていたので、後半はよりスペースが空いてくるんじゃないかなと思っていました」
 
 そして53分、その瞬間が訪れる。カウンターからデンベレがドリブルで中央を持ち上がる、DFラインの裏に抜け出した香川がスルーパスを受けてGKとの1対1の場面を迎える。
 
 自ら打つこともできたが、「右でオバ(オーバメヤン)がすごくフリーだったので、それはしっかりと冷静に判断しました」と、確実に先制点をアシストしてみせた。
 
「お互い代表ウィークの後で、後半に疲れが出てくると考えたら、後半がチャンスなのかなと思っていた」という言葉通り、その後もスルーパスでふたつの決定機を演出した。
 
 58分には左足のスルーパスでオーバメヤンの1対1を演出するもエースが決め切れず、74分には香川のパスを受けたデンベレが右足でシュートを放ったが、右ポストを叩いた。
 
 追加点を奪えば試合を決められた可能性が高かっただけに、ドルトムントとしては悔やまれるシーンになってしまった。
 
 この先、ドルトムントには29日間で9試合という、シーズン終盤の厳しい戦いが待ち受けている。
 
「切り替えにくい試合」と香川の悔しさは残るものの、「この先、大事な試合がたくさんあるので、この引き分けはドルトムントからしたら痛いですけど、また次に切り替えてやっていきたいと思います」と、その目は今後を見据えていた。
 
現地取材・文:山口 裕平

【写真で振り返る】香川真司 IN レヴィア・ダービー(2010~2017)

【ハイライト動画】香川が絶妙な抜け出しからゴールをお膳立て。クラブでも好調を維持|シャルケ 1-1 ドルトムント
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