アンプティサッカーが新たな試み。健常者も一緒にプレーする大会を開催

2017年04月01日 森本茂樹

障がい者と健常者を一緒に考えるように。

一般参加の女性はボールを蹴る時だけ片足を浮かして蹴り、走る時は足をつくことを認めて参加し、交流することを主とした大会になった。写真:森本茂樹

 3月19日、アンプティ選手と健常者が一緒にプレーする初の大会として、「4vs4 Amputee Sete CUP」が大阪府貝塚市のいずみスポーツヴィレッジで行なわれた。
 
 病気や事故で手足を切断した選手が松葉杖をついてプレーするアンプティサッカーは、現在9クラブが全国に普及している。今回、そのうちのひとつである関西セッチエストレーラスが主催で同大会が行なわれた。
 
 10チームにより行なわれた大会は、FC.public4との決勝戦を制したFCアウボラーダが優勝を果たした。その決勝戦で1ゴールを挙げ、チームの優勝に貢献した日本代表のエンヒッキ松茂良ジアスは「代表メンバーが3名もいるチーム。あれくらいでいかないと、簡単にやられちゃうので」と激しい試合の末に成し遂げた戴冠に喜びを露わにした。
 
 開催に際して、関西セッチエストレーラス代表の増田勇樹さんは「全国大会も春と秋の年2回開催されてサポートも増えてきましたが、自前で大会を実施することにより、自分たちでプレーする環境を作ることを忘れないようにしたい」と大会に対する思いを述べた。
 
 同大会にはアンプティ選手だけでなく、車いすバスケットボールの選手も招待し、障がい者アスリート同士の交流も図った。参加者の中には「障がい者スポーツの競技の中で横のつながりができる、このような大会があるといい」「健常者が参加出来ることが良かった」などの声が上がり、様々な垣根を超えて参加者が集った大会を多くの人が称賛した。
 
 また、大会を企画した増田さんは「年齢や性別、障害の有無に関わらず、多くの人が参加する大会を行なうことによって、アンプティサッカーの価値を高めたい」と振り返り、「アンプティチームがない地域でやっても面白い」と各地域に広めていく意欲も覗かせた。

取材・文:森本茂樹
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