【柏】チーム最年長の栗澤僚一が語る「細貝効果」と「ギラギラ論」

2017年03月30日 塚越 始(サッカーダイジェスト)

「勝っている時って、みんながギラギラしている」。

ルヴァンカップではキャプテンマークをつけてプレーした栗澤。その周囲の良さを引き出す潤滑油的な役割は、やはり欠かせない。(C)KASHIWA REYSOL

 MF栗澤遼一は、35歳とチーム最年長。またチーム在籍10年目は、大谷秀和の15年、桐畑和繁の12年に次ぐ。チームを俯瞰し、全体のバランスを取りながら個々の特長を引き出す役割を担ってきた。それだけに何が課題で、何をすべきか――。そういった問題点を探る能力がやはり高い。
 
 ハモン・ロペスを獲得し優勝争いにも食い込んでくるのでは? と開幕前に多方面から言われたものの、4節を終えた時点で15位と低迷。栗澤は巻き返しへのポイントを、次のように挙げた。
 
 まず、早速感じているのが細貝萌の加入効果だ。その球際にこだわりを見せる闘志溢れるプレーはもちろん、日本代表に加え、ドイツのレバークーゼン、ヘルタ・ベルリン、アウクスブルク、シュツットガルト、そしてトルコのブルサ・スポルで培ってきた経験が、柏に数多くのプラスの効果をもたらしそうだと感じている。
 
「気持ちを前面に出し、球際にガンガンと行けてしかも強い。プレーで引っ張り、チームを活性化してくれる。さっそくそういった面で練習中から雰囲気も盛り上げてくれている。ウチは若い選手が多いから、ハジ(細貝)が加わったことで、プラスはたくさんあります」
 
 柏のトップチームの平均年齢23.6歳は、J1では断トツに若い。ただ、その若さが、シーズン序盤はプラスに向かえずにいる。その矢印をグッと右肩上がりにすることが、栗澤自身にとっても役目だと感じている。
 
「練習から高いモチベーションを持続すること。それに全員が同じ気持ちを持たないと。試合に絡めなかったりして、なんだか気持ちが乗らないのを表に出してしまっているヤツがいたら、俺が引っ張っていきます。やはり、チームとして戦っているわけですから」
 
 もちろん、一方で若いチームだからこその可能性も感じ取っている。
 
「その若さの良い部分を引き出して、結果を残せれば、良い方向に持って行けるはずです」
 
 J2に降格した低迷期も、リーグ優勝をはじめ数々のタイトルを獲得した黄金時代も経験している。栗澤は興味深いことを語っていた。
 
「勝っている時って、みんながギラギラしている。そこは一番感じてきたかな。大事にしていきたいですね」
 
 逆に言えば、その"ギラギラ感"が、今は物足りずにいるのだろう。ただ、その勝つことへの執着であり貪欲さは、結局、「勝利」を積み重ねなければ獲得できないと言うのだ。
 
 開幕の鳥栖戦で勝利を挙げたものの、その後は3連敗を喫した。リーグ再開初戦は、4月1日、アウェーで広島と対戦する。工藤壮人との対決も注目を集めるだけに、ここで勝って、チームを上向きの軌道に乗せたい。

 柏にとっては今季を占ううえでも重要な、ターニングポイントになる一戦になるかもしれない。
 
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
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