空席のオランダ代表監督に、フリットが「完璧な人材」として激推しするのは!?

2017年03月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

「オランダはこの数年で、“サッカー小国”に成り下がった…」

写真は、オランダにとって唯一のメジャータイトルであるEURO88。フリット(左端)が監督就任を熱望するのは、現役時代は右足の強烈な一撃を持ち、攻守に能力を発揮できるDFだったクーマン(右端)である。 (C) Getty Images

 3月25日(現地時間)、ロシア・ワールドカップの欧州予選でブルガリアに敵地で0-2と敗れ、グループ4位に沈んだオランダ。2大会連続のメジャーイベント予選敗退の危機に晒された同国のサッカー連盟は、26日にダニー・ブリント監督を解任した。
 
 28日に行なわれた親善試合イタリア(1-2で敗北)では、ブリントのアシスタントだったフレッド・フリムが暫定的に監督を務めたが、後任人事についてサッカー連盟は「慌てることなく、6月の予選までに決めたい」と語っている。
 
 現地メディアが報じる候補リストには、ルイス・ファン・ハール、フィリップ・コクー、フランク・デブールといった多くのオランダ人に加え、ロジャー・シュミット、ユルゲン・クリンスマンといったドイツ人も名前も含まれているという。
 
 サッカー連盟はこれについて、「現時点であらゆる可能性や選択肢を排除しない」としている。
 
 そんななか、自身も候補として名が挙がっているルート・フリットは、現役時代、ともにオランダの黄金時代を築いた盟友を後任監督として推薦している。それは現在、プレミアリーグのエバートンで指揮を執るロナルド・クーマンだ。(『Helden Magazine』より)
 
「オランダはこの数年で、すっかり"サッカー小国"に成り下がってしまった……。チームは混乱してしまっている。進む方向を間違えてしまっているようだ」
 
「チームは敗北の理由を、自分たちのミスと考えているようだが、そのミスは相手によって引き起こされているということに気付いていない。オランダには常にハイレベルのプレーが求められてきたが、もはや今のチームはそれをこなせるレベルにない」
 
 こう現在のオランダ代表に対して厳しい見方をするフリットは、クーマンがチームを立て直してくれると期待する。
 
「彼はアヤックス、フェイエノールト、PSVを率いた際、厳しい状況を乗り越えてきた実績がある」
 
 ブリント解任以前から、クーマンの代表監督就任を熱望していたフリット。その理由は、「海外での経験が豊富で、相手チームがオランダ相手にどのように戦うのかを理解している」からだという。
 
「おそらく彼はオランダで唯一、客観的に代表チームを見られる監督だと思う。現在のチームのどこが悪く、どう修正すればいいのかを理解できることだろう。彼こそ、オランダを率いるのに、最も完璧な人材だ。国内だけでの経験では、どうしても視野が狭くなってしまう」
 
 このようにフリットが絶賛するクーマンは、2014年にファン・ハールがブラジル・ワールドカップ3位という好成績を残して退任した後、後任の最有力候補に挙がったものの、就任は実現せず、同年にプレミアリーグのサウサンプトンに迎え入れられ、今シーズンよりエバートンを率いている。
 
 ルイス・エンリケ監督が今シーズン限りでの勇退を発表したバルセロナの次期監督候補にも名が挙がったクーマンは、エバートンと3年契約を交わしており、すぐにフリットの希望を叶えるのは困難な状況。サッカー連盟も「クーマンにはエバートンとの契約がある」とだけ語っている。
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