「アジア版イングランド代表で、きっと失敗が続く」英紙が中国代表を辛辣分析

2017年03月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

「国内の才能は最も貧しい状態にある」と冷静分析。

国内リーグで出場機会に恵まれず、若手が成長しにくい状況に陥っている中国。何をもって成功とするかは様々な見方があるだろうが、代表での成功を目標とするならば、今のままでは明るい将来はやってこないだろう。 (C) REUTERS/AFLO

 3月23日、中国・長沙の賀竜スタジアムで中国対韓国の一戦が行なわれ、4節終了時で、予選未勝利だった最下位の中国は、34分にユ・ターパオの挙げた虎の子の1点を守り切って初勝利を飾った。
 
 韓国とのライバル対決を制した中国のイタリア人指揮官マルチェロ・リッピは、「中国の現状は厳しいが、まだ不可能な状況には至っていない」と悲願の本大会出場に向けて意気込みを語った。
 
 そんな百戦錬磨の名将の考えとは裏腹に、英紙『ガーディアン』は、自国の代表を引き合いに出して、中国代表に対して冷ややかな目線を送っている。
 
 同紙は、「代表が苦戦しているのにもかかわらず、国内の熱気は高いままだ。フットボールに対する関心の爆発と政府の取り組みにより、代表への期待は上がっているが、現実はたとえポジティブな成果を出したとしても2022年のカタール大会行きすら怪しい状況だ」と、中国代表を冷静に分析している。
 
 さらにカルロス・テベス(上海申花)やオスカール(上海上港)などスーパースターの乱獲が若手中国人選手の成長の妨げになっていることを指摘し、「プロリーグが始まってから、国内の才能は最も貧しい状態にある」と綴った。
 
 中国にはかつて、プレミアリーグでもプレーした逸材が揃っていた。スン・ジーハイ(マンチェスター・C)やドン・ファンジョウ(マンチェスター・U)がその代表格だ。しかし、今や国内リーグは外国籍のスター選手が主戦級となっており、若手選手が陽の目を浴びることはない。
 
 代表が衰退する一方で、各国のスター選手が集い国内のフットボール熱は高まるばかりであるという矛盾した傾向が、現在のプレミアリーグとイングランド代表の現状にも似ていると『ガーディアン』は皮肉交じりに示した。
 
 中国サッカー連盟は、昨年12月に各クラブが持てる外国人枠を「4」から「3」に減らすなど対策は講じているものの、その成果が出ているかは懐疑的だ。もし、このままの状況が続けば、次代のスターが生まれずに停滞状態にあるイングランド代表のように長らく苦戦することになるだろう……。
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