【岡山】「絶対的な存在になりたい」――。大竹洋平が恩師と二人三脚で臨む新たな“自分探しの旅”

2017年03月21日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「胸を張れるような結果を残せていないし、まだ完全な信頼は得られていない」

大竹は恩師である長澤監督と2011年以来のタッグを組むことに。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 2017年シーズン、Jリーグ全54クラブ(U-23チームを除く)のうち、23クラブで今年から新たな選手が10番を着けている。岡山の大竹洋平もまた、「新10番」のひとりだ。
 
 今季、大竹が3年半過ごした湘南から岡山への移籍を決断したのは、長澤徹監督の存在が大きい。かつてFC東京の下部組織、トップチームで指導を受けた恩師には、思うようにプレーできない時、出場機会に恵まれない時に、「自分を信じる気持ちとやり続けることの大切さを教わった」(大竹)。「またいつか徹さんと一緒にやりたい」という想いを持ち続けてきたなかで届いたオファーに、心は自然と移籍に傾いた。
 
「徹さんが(FC東京の)コーチ時代から話してきて、一つひとつの言葉が今でも鮮明に記憶に残っています。徹さんのおかげで、サッカー選手として『自分は間違っていない』、『これを続けていれば大丈夫だ』と確信が持てた。今回、声をかけてもらって、自分も岡山に行って、まだ成長できるんじゃないかと思ったんです」
 
 近年、故障もあって伸び悩んできた大竹にとっては、まさに転機となる出来事だった。もっとも、監督の勝手を知っているだけで、レギュラーの座を奪えるほどプロの世界は甘くない。4試合を消化した時点でスタメン出場は1度のみで、現状では22歳の石毛秀樹とシャドーの3番手を争っている状況。大竹自身、ここまでの出来にはまったく満足していない。
 
「(岡山特有の)ハードワークに関しては、湘南でやってきた自信もあったので驚きはありませんが、胸を張れるような結果を残せていないし、まだ完全な信頼は得られていないと思います。1年を通して試合に出て、結果を残さないと。それが一番自分の成長にもつながるので」
 
 おそらく大竹の頭には、かつて長澤監督からかけられた「プロは結果がすべてだ」という言葉が、走馬灯のように浮かんでいるに違いない。

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