【磐田】移籍後初ゴールの中村俊輔が見据える次のステップとは?

2017年03月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ボールを握った時のストロングポイントは前に行くところなんですが…」

大宮戦で移籍後初ゴールを決めた中村は、攻撃面での連動性を課題に挙げた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ3節]大宮1-2磐田/3月11日/NACK
 
 磐田の中村俊輔が、J1・3節のアウェー大宮戦で移籍後初ゴールを決めた。開始5分にムサエフが獲得したペナルティエリア付近でのFK。キッカーに立った背番号10は、GKの位置を見極めてゴール右に鮮やかに蹴り込んだ。
 
 伝家の宝刀が炸裂――。名波浩監督も「俊輔のFKは入る雰囲気があった」という一発で先制点を挙げた磐田は、さらに新加入の川又堅碁が自慢の身体能力を活かして追加点を挙げ、2-1で今季初勝利をモノにした。
 
 殊勲の中村は試合後、自身のゴールについて次のように語った。
 
「早い時間帯の得点は、良くなることも難しくなることもあるんですが、今日は良いほうに転がったと思います」
 
 早い時間に先制点を奪うと、チーム全体の守備意識が必要以上に高まり、攻撃が停滞してしまうことがある。しかし、この日の磐田は後半早々に追加点を奪う積極性を見せ、きっちりと勝点3を重ねた。
 
 ただし、中村は「まだ課題はいっぱいあります」と表情を引き締める。具体的には、攻撃面だ。大宮戦では2点を奪ったものの、まだまだコンビネーションは改善が必要だという。
 
「ボールを握った時のストロングポイントは前に行くところなんですが、そうでない時のボールの回し方というか落ち着き方、持っている人も前のひとも、積極的にボールを受けに行ってもらいに行ってという連動がまだないんで、練習していきたいです」
 
 スピードに乗ったカウンターやサイド攻撃だけでなく、時には余裕を持って相手を揺さぶる。縦一辺倒になりがちなチームに緩急を付けようというのが中村の狙いだ。

 磐田は開幕戦、そして2節と無得点に終わっており、公式戦でのゴールは大宮戦の2点だけ。しかも、その2点は個人の力で奪ったもので、中村が納得できる形での攻撃は、まだ実現できていないのだろう。
 
 稀代のファンタジスタがイメージするチームとしての連動した攻撃――それがゴールという形で結実した時、磐田は次のステップに進めるはずだ。
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