【川崎】プロ初の1トップで躍動した阿部。川崎スタイルへの適応にも自信

2017年03月11日 本田健介(サッカーダイジェスト)

迎えた決定機に選択したのは……。

いくつかの決定機にも絡んだ阿部。周囲との息は合ってきている。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ 3節]川崎 2-1 柏/3月10日/等々力

【川崎 2-1 柏 PHOTO】中村憲剛が1ゴール1アシストの活躍!川崎が2-1で柏を下す。
 
 柏との一戦で攻撃にリズムをもたらしたのは1トップに入った阿部だった。
 
 昨季まで所属したG大阪では主にサイドハーフを務めてきた男は、1トップでの出場は「(プロでは)ないです。初めてです」と振り返る。それでも序盤からトップ下の中村、右サイドハーフの小林とポジションを入れ替えながら、上手く連係し、柏陣内へと攻め込んだ。
 
 真骨頂が現われたのは1点リードで迎えた前半のロスタイム。柏の左SB輪湖がCBの中山へパスを戻したところに素早くプレッシャーをかけてミスを誘発させると、ボールを奪って切り込んだ。
 
 そしてGKとの1対1を迎えたが、「(中村)憲剛さんがめっちゃ呼んでくれていた。打ちたかったですが、憲剛さんのほうが確実だと。追加点を取って(チームを)楽にするのが一番だと思ったので、良い選択ができました」と、自らの移籍後初ゴールよりも、チームの勝利を優先し、中村へラストパスを送って追加点をアシストした。
 
 もっとも、柏戦ではゴールという結果は残せなかったが、手応えは得た。これまでは阿吽の呼吸でパスを回す"川崎スタイル"に馴染めずにいたが、順応できつつある姿を見せたのだ。
 
「前半はみんなが流動的に動き、良い攻撃ができた。(川崎は)こうなったらこうしようという形を決めずに攻める。そこの感覚は徐々に合ってきている。一歩一歩良くなっている」
 
 そう語る表情には安堵の色が垣間見えた。
 
「(ポジションを)固定するよりいろんなパターンがあった方が相手も嫌だと思う」

 そう自ら語るように、今後は得意とするサイドハーフや2トップの一角など、様々なポジションで起用されそうだ。
 
 しかし、周囲との息が合ってきた今であれば、どこで起用されたとしても、リズムを崩すことはないだろう。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
 
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