【磐田】中村俊輔が試行錯誤の中で新たな“発見”

2017年03月04日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「後半に前と後ろが離れて、良いアングルでボールがもらえなかった」

C大阪戦よりも高い位置でプレーしていた中村。パスコースが少なく、連動した攻撃は限られたが、新たな発見もあったようだ。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ2節]磐田0-1仙台/3月4日/ヤマハ
 
 開幕戦でリーグ4位の走行距離(12.637キロ)を走り抜いた中村俊輔は、課題に対してアジャストしようと仙台戦に挑んでいた。
 
 それは、1トップの川又堅碁との距離感だ。C大阪戦では距離が遠くなり、川又が孤立してしまったが、仙台戦では極力ボールを受けに低い位置まで下がらず、「川又の近くにいようと思った」という。
 
 実際、前半にその効果はあった。中村を起点に、川又やアダイウトンがショートカウンターで仙台ゴールを強襲。20分にはセットプレーから決定機を作るなど、主導権を握りかけていた。中村も「前半は悪くなかった」と振り返る。

【磐田 0-1 仙台 PHOTO】中村俊輔がヤマハスタジアム初登場も…

 それでも、チームの運動量が落ちた後半は、選手個々の距離が遠くなり、パスミスを連発。自滅するような形で流れを失ない、逆に仙台にビューティフルゴールを決められてしまった。名波浩監督は「60分過ぎから1タッチ、2タッチプレーのリズムがなくなった」と指摘したが、中村の目にもポジショニングに問題があると映っていたという。
 
「後半に前と後ろが離れてしまった。ボールがないところでのポジションが良くないから、受けても窮屈でパスを返すしかない。僕は一番密集しているところ(ポジション)なんで、なかなか良いアングルでのボールがもらえない。こっちは休みどころがなくて、向こう(仙台)は3-4-3でサイドに散らせるから"オアシス"があった感じかな」
 
 後半にはビルドアップがスムーズに行かず、中村が最終ラインの位置まで下がる場面が増えてしまった。仙台からすれば、ブロックを作りながら中村をゴールから遠ざけることは狙い通りだったが、中村は様々な"可能性"を探るために、敢えてそうしていた側面もあったという。
 
「今日やってみて、(自分が)下がってもいいかなと思いました。(SBの)ミヤ(宮崎智彦)とコウスケ(山本康裕)がサイドを駆け上がってセンタリングを上げたシーンがあったかと言えばない。今は駆け引きできる選択肢がないから、一回下がってSBを上げて、ボール回しに厚みを出すのもありかなと。名波さんはそこに関しては何も言わないので、(自主的に)それを繰り返してみてもいい」

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