【京都】NO.1ルーキー岩崎悠人が見せた無限の可能性。デビュー戦アシストの次は「自分でゴールを決めて勝ちたい」

2017年02月28日 雨堤俊祐

ミスを恐れずにトライしたことが結果に結びつく。

デビュー戦でアシストをマークした岩崎。キレのあるプレーを見せた。写真:川本 学

 昨年の高校NO.1ストライカーが、Jデビュー戦で早くも躍動した。
 
 京都橘高から京都へ入団したFW岩崎悠人は、リザーブとして開幕戦のメンバー入りを果たした。この日の京都は先制点を奪われ、前半はシュート1本に終わるなど苦戦を強いられていた。
 
 後半になっても流れは変わらず、57分にリードを2点に広げられると布部陽功監督が動く。交代選手としてベンチに呼ばれたのは岩崎と仙頭啓矢。ともにJリーグデビューとなるルーキーふたりに反撃の望みを託したのだ。
 
 その狙いは的中する。まず、仙頭が中盤でゲームメイクして攻撃の流れを作り、チームは敵陣で仕掛ける場面が増えていった。
 
 そして、3-4-3の左シャドーに入った岩崎は「いつもだったら単純なプレーでミスしていたけれど、今日は落ち着いて試合に入れました」と話したように、トラップやパスを正確にこなして攻撃を停滞させることなく周囲と絡んでいく。
 
 さらに前へ飛び出すスピードや、相手と競り合っても当たり負けしない身体の強さを発揮。ボランチの吉野恭平は「前線が停滞していたところで、悠人がアグレッシブにかき回してくれた」と岩崎投入の効果を説明している。
 
 本人も「開幕までの1週間は消極的なプレーが続いていたので、今日出たら積極的にチャレンジしていこうと思っていた。そこは思い切ってやれました。今まではミスを恐れたり、監督やトゥーさん(闘莉王)から言われることを気にしてやっていたけれど、今日は楽しくプレーできました」と手応えを感じている様子だった。
 
 チームは徐々に流れを取り戻しながら5バック気味に守備を固める相手を崩せずにいたが、終了間際に攻勢が実を結ぶ。中央から左サイドへ展開すると、湯澤聖人を経由してパスを受けた岩崎は右足でゴール前へクロスを送り込む。ボールは相手CBとウイングバックの間にポジションをとったケヴィン・オリスの頭を正確に捉えてネットを揺らした。
 
 この時、GK児玉剛は前に出てクロスに対応しようとしたが、届きそうで届かない絶妙のコースを描いたボールを前にトライすることができなかった。岩崎は「ケヴィンが入ってからは、彼にボールを当てるという意識でやっていた。(アシストの場面は)中を見たらケヴィンが一番大きいので、蹴ったボールに上手くあわせてくれました」と振り返っている。

次ページ今季はU-20日本代表としても活動。ハードな1年に。

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