「悪童」から脱却できないバロテッリ、代表復帰は夢物語か…

2017年02月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

すでに今シーズンで3度のレッドカードを食らう。

ニースで好調な出足だったバロテッリ。しかし、徐々に悪癖が顔を覗かせはじめ……。(C)Getty Images

 復活が騒がれていたシーズン序盤戦が、遠い昔のようだ。フランスでも批判を浴び始めているマリオ・バロテッリにとって、イタリア代表復帰は夢物語なのかもしれない。アッズーリのジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督の右腕が、規律の重要性を強調している。

 
 リバプールとミランで不本意な2シーズンを過ごし、2014年のブラジル・ワールドカップを最後にイタリア代表からも遠ざかっているバロテッリ。だが、ニースに移籍した今シーズンは、10月までに公式戦7試合で7ゴールを記録するなど好スタートを切り、完全復活への期待が高まっていた。
 
 しかし、負傷で1か月ほど戦列を離脱してから、徐々に雲行きが怪しくなる。2016年最後の試合となったボルドー戦で一発退場したのに加え、今月に入ってサンテティエンヌ戦で先発落ち。さらに、現地時間2月18日のロリアン戦でも、精彩を欠いたうえに主審への暴言で再び一発退場となり、一部のフランス・メディアから「採点ゼロ」を突きつけられるなど酷評された。
 
 ここまで公式戦19試合で11得点と、数字は決して悪くない。だが、3度の退場が示すように、相変わらず規律面の課題が残る。また、ルシアン・ファブレ監督やチームメートからは守備意識の低さを指摘されており、結局は「悪童」のイメージから脱却できずにいる。
 
 当然、イタリア代表復帰への道も遠ざかったようだ。バロテッリと連絡を取ったという同代表のチームマネジャー、ガブリエレ・オリアーリは、「招集については本人とパフォーマンス次第。現時点で彼とのアポイントメントは予定していない」と述べたうえで、次のように規律面の重要性を強調した。イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙などがコメントを伝えている。
 
「規律は代表入りするすべての選手にとってのルールだ。真剣さやプロ意識が求められる。代表に選ばれるのが誰であろうと、ベテランだろうが若手だろうが、ルールは尊重されなければいけない。そのルールは以前から変わっていないよ」
 
 今シーズンのセリエAではトリノのアンドレア・ベロッティが得点王のタイトルを争い、ラツィオのチーロ・インモービレも復活を印象付けるパフォーマンスを披露。また、フィオレンティーナのフェデリコ・ベルナルデスキやサッスオーロのドメニコ・ベラルディなど、将来が嘱望される若手アタッカーも少なくない。アッズーリにおけるバロテッリの希少価値が薄れているのは事実で、現状では3月のAマッチウィークで代表復帰を果たす可能性は極めて低い。
 
 バロテッリが再び青いユニフォームに袖を通す日は、このまま訪れないのだろうか。クオリティーに疑問の余地はないだけに、すべては本人の自覚次第だが……。
 
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