世界最優秀審判がプレミアからサウジアラビアへ「移籍」! 2012年には人種差別発言で物議

2017年02月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

イングランドのトップレフリーであることは間違いないが…。

プレミア・ファンにはお馴染みのクラッテンバーグ。この移籍に元イングランド代表のリネカーは「彼がいなければ、全く違った人生になっていた」とコメントを寄せるなど、良くも悪くも名審判である。 (C) Getty Images

 現地時間2月16日、イングランドのプロ審判協会(PGMOL)は、プレミアリーグやチャンピオンズ・リーグで笛を吹いてきたマーク・クラッテンバーグ氏が、サウジアラビア・サッカー連盟へ移ることを発表した。『BBC』など複数の英国メディアが報じている。
 
 PGMOLは、「サウジアラビア・サッカー連盟への移籍に向けて準備をしているクラッテンバーグ氏の成功を祈っています。彼は才能あるレフェリーで、イングランドにとって非常に価値のある存在です。この移籍は、マークにとって絶好のチャンスであり、高い評価を受けるイギリス人審判の能力を世界の試合を通じてさらに強調するものであると認識しています」との声明を発表した。
 
 BBCによれば、同氏は2月5日にサウジアラビア・サッカー連盟の審判部門部長を辞任した元審判員のハワード・ウェブ氏の後任として、自動更新付きの1年契約を締結しており、サウジアラビアの審判員のパフォーマンス向上などに務めるかたわら、サウジ・プロフェッショナルリーグで笛を吹くという。
 
 2004年からプレミアリーグでジャッジをしているクラッテンバーグ氏は、プレミアリーグのビッグマッチで主審を務め、昨シーズンのチャンピオンズ・リーグ決勝やEURO2016決勝でも笛を吹き、2016年の世界最優秀主審賞にも輝くなど名実ともにイングランドのトップレフェリーだ。
 
 しかし、一方で、その言動や行動が物議を醸してもきた。
 
 2012年10月28日に行なわれたプレミアリーグのマンチェスター・U対チェルシー戦では、当時チェルシーに所属していたジョン・オビ・ミケルに対して人種差別発言をしたとチェルシー側が公式に抗議する事態に発展。これは証拠不十分で咎めはなかったものの、さらに遡れば、2008年に事業の失敗で多額の借金を抱え、PGMOLから8か月の活動停止処分を受けていた。
 
 そんな話題性に事欠かないクラッテンバーグ氏は、昨年12月にも中国スーパーリーグやアメリカのMLS入りが噂されていたが、結局は重要なポストを与えられたサウジアラビア入り決意した。
 
 サウジアラビア・サッカー連盟のツイッター上で「これは私にとって重要な前進だ」と語ったクラッテンバーグ氏。今後もそのジャッジに注目だ。
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