娘の死を乗り越えた相手選手に、ペップが「熱い」抱擁と言葉を送る

2017年02月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

ロッカールームに下がろうとしたところを呼び止めたペップ。

会話後に抱擁をするグアルディオラ(左)とアーター(右)。その背景にはあったものとは? 

 現地時間2月13日に行なわれたボーンマス対マンチェスター・C戦(プレミアリーグ25節)後、マンチェスター・Cの指揮官ジョゼップ・グアルディオラとボーンマスのハリー・アーター(アイルランド代表MF)が交わした会話の内容が話題となっている。
 
 英紙『デイリーメール』によると、2-0でマンチェスター・Cが勝利した後、ロッカールームへ下がろうとしたアーターをグアルディオラが呼び止めると、「今日はすまない。でも、君たちの幸せを祈っている」と言葉を掛けたのだ。2人はその後に熱い抱擁を交わしている。
 
 なぜ、スペイン人指揮官はアーターだけにこの言葉をかけたのか? それはこのアイルランド代表MFが人生の大きな苦難を乗り越え、新たな幸せを掴もうとしていたからである。
 
 2015年12月、アーターは夫人のレイチェルさんとの間に誕生した長女のレネちゃんを生後間もなく亡くすというショッキングな出来事に見舞われる。その際には、「僕は周囲の人々に怒りをぶつけていた」と吐露するほど打ちのめされていた。
 
 そして、「気丈に振る舞う妻を見て、立ち直れた」と語るアーターとレイチェル夫人の間には、2月中に第2子の誕生が迫っていたのだ。
 
 それだけにグアルディオラからの声掛けにはアーター本人も感動したようで、「ペップは、子どもが誕生する前に僕ら家族の幸せを祈ってくれた。彼は大いに尊敬する人物で、僕にとっては世界最高の監督さ」とコメントを残している。
 
 グアルディオラも試合後の会見でアーターについて触れ、「彼がもうすぐ父親になることも、過去に何があったかも知っていたから、彼とパートナーに『おめでとう!』と言わせてもらった。大丈夫。赤ちゃんは元気に育つだろう」と語った。
 
 試合結果こそマンチェスター・Cの完勝であったが、両者の言動には人間らしい気遣いと愛情が溢れていた。
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